〒133-0056 東京都江戸川区南小岩7丁目3-1
03-3671-0867
当院ではスウェーデンスタイルの歯科治療を行なっております。
スウェーデンは歯周治療、虫歯治療、インプラント治療、および予防において世界の最先端をゆくことで知られています。スウェーデンでスタンダードな歯科治療の考え方は、「患者さまの口腔の健康を第一に考え、予防を最優先にする」ということです。そのためには、一人ひとりに合った口腔ケアや指導、治療はシンプルに行ない、良好な予後を長期継続するメンテナンスをします。
さらに、スウェーデンの人々は口腔の健康を維持するためのセルフケアの重要性を知っているので、患者さまもチームの一員となって治療に参加します。そのためセルフケアをとても重要視しています。具体的に言えば「歯磨き」の仕方、食習慣等を徹底指導させていただきます。
歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。
歯と歯ぐきの境目の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞し(歯垢の蓄積)歯ぐきの辺縁が「炎症」を帯びて赤くなったり、腫れたりします。
そして、進行すると歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の境目が深くなり、歯を支える土台(歯槽骨)が溶けて歯が動くようになり、最後は抜歯をしなければいけなくなってしまいます。
お口の中にはおよそ300~500種類の細菌が住んでいます。
これらは普段あまり悪いことをしませんが、ブラッシングが不十分であったり、砂糖を過剰に摂取すると細菌がネバネバした物質を作り出し、歯の表面にくっつきます。これを歯垢(プラーク)と言い、粘着性が強くうがいした程度では落ちません。この歯垢(プラーク)1mgの中には10億個の細菌が住みついていると言われ、虫歯や歯周病をひき起こします。その中でも歯周病をひき起こす細菌が特異的に存在していることが解明されています。
歯周病とは、この歯垢(プラーク)の中の細菌によって歯肉に炎症をひき起こし、やがては歯を支えている骨を溶かしていく病気のことで、結果的に歯を失う原因となります。
歯垢(プラーク)は取り除かなければ硬くなり、歯石と言われる物質に変化し歯の表面に強固に付着します。 これはブラッシングだけでは取り除くことができません。この歯石の中や周りに更に細菌が入り込み、歯周病を進行させる毒素を出し続けます。
歯周病になりやすい人の特徴
・プラークコントロールが不良
・歯ぎしり、くいしばり、かみしめ
・不規則な食生活
・喫煙
・ストレス
・不適合な被せものや義歯を入れている
・全身疾患(糖尿病、骨粗しょう症、ホルモン異常等)
・薬の長期服用
炎症が歯ぐきを突破し歯槽骨(歯を支えている骨)にまで及んだ状態です。歯と歯ぐきの間の溝(病的な状態では歯周ポケットと言います)が3mm程度とやや深くなります。歯科医院でのスケーリングとブラッシング指導を受けていただければ比較的早く進行を止めることができます。
見た目 |
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無症状 |
痛み |
痛み等なし |
日常生活の支障 |
特になし |
見た目 | 痛み | 日常生活の支障 |
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無症状 | 痛み等なし | 特になし |
歯周ポケットとは?
健康な状態では歯ぐきのすぐ下に骨があり、歯と歯ぐきの間の溝に器具を挿入しても骨がある為、すぐ骨に器具が当たります。(すなわち汚れが溜まる溝が浅いということです)しかしながら、歯周病が進行し骨が溶けてしまうと、この溝(歯周ポケット)は次第に深くなっていく為、不潔域(汚れが溜まり自分でコントロールできない場所)が広がっていきます。
この深くなってしまった溝を歯周ポケットと言います。
炎症によって溶けた骨の量が更に多くなり、歯周ポケットも4~5mmと深くなっていきます。この状態になると歯槽骨(歯を支えている骨)の吸収もかなり進むため歯が左右に少し揺れたりすることもあります。
見た目 |
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歯ぐきの発赤、腫脹、赤色の歯肉。歯と歯の間の歯肉が丸みを帯び膨らんでいる。 |
痛み |
状態により物を噛むと痛みがあったり、冷たいものでしみる。 |
日常生活の支障 |
歯ブラシにより出血することがある。腫れた歯と歯肉との間に歯垢が溜まり悪化する。 |
見た目 | 痛み | 日常生活の支障 |
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歯ぐきの発赤、腫脹、赤色の歯肉。歯と歯の間の歯肉が丸みを帯び膨らんでいる。 | 状態により物を噛むと痛みがあったり、冷たいものでしみる。 | 歯ブラシにより出血することがある。腫れた歯と歯肉との間に歯垢が溜まり悪化する。 |
歯を支えている歯槽骨がかなりなくなり歯周ポケットが6mm以上の深さに達すると、ブラッシングを行ったとしても、もう自力で治すことは難しくなってきます。そのため歯を抜いたりする場合も出てきます。
見た目 |
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赤紫色歯肉。歯と接している歯肉が腫れる。歯肉が退縮して歯が長く見える。溶ける。 |
痛み |
物を噛むと歯が揺れているため痛みがあり、飲み物でしみる。 |
日常生活の支障 |
ブラッシングで出血や膿がでる。歯と歯の間が広がり、食べ物もよく詰まる。歯周病菌由来の口臭がすることがある。歯ブラシを行なうことが痛く、触ると出血する。 |
見た目 | 痛み | 日常生活の支障 |
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赤紫色歯肉。歯と接している歯肉が腫れる。歯肉が退縮して歯が長く見える。溶ける。 | 物を噛むと歯が揺れているため痛みがあり、飲み物でしみる。 | ブラッシングで出血や膿がでる。歯と歯の間が広がり、食べ物もよく詰まる。歯周病菌由来の口臭がすることがある。歯ブラシを行なうことが痛く、触ると出血する。 |
歯肉炎は、歯周病のなかで前段階~初期段階の症状が当てはまります。
初期段階の歯周病では歯肉だけが炎症を起こして赤く腫れ、歯と歯の間の歯肉が丸みを帯び膨らんでいます。またブラッシングで出血することがあります。 この状態を「歯肉炎」といいます。
この時点では、お口の中の違和感は少ないため、自分が歯周病だと気付く人は少ないと思います。 厄介なことに「歯肉炎」を放置してしまうと「歯槽膿漏」に進んでしまい、歯槽骨が溶けてしまうので、仮に痛みなどの自覚症状が無くても治療が必要です。
歯肉炎の症状
歯肉だけが炎症を起こして赤く腫れ、歯と歯の間の歯肉が丸みを帯び膨らんでいます。
歯周病セルフチェック
・歯ブラシによる出血
・歯ぐきの色が赤く、腫れてくる
・歯ぐきから膿が出る
・歯がグラつく
・歯と歯の間が大きくなってくる(歯間ブラシが通りやすくなった)
歯ブラシ、清掃補助器具(歯間ブラシやフロスやタフトブラシ)の使用、食後のうがい、キシリトールのガム噛み等を行ないましょう。
動脈硬化は、不適切な食生活や運動不足、ストレスなどの生活習慣が要因とされていましたが、別の因子として歯周病原因菌などの細菌感染がクローズアップされてきました。歯周病原因菌などの刺激により動脈硬化を誘導する物質が出て血管内にプラーク(粥状の脂肪性沈着物)ができ、血液の通り道は細くなります。
脳の血管にプラークが詰まったり、頸動脈や心臓から血の塊やプラークが飛んで来て脳血管が詰まる病気です。歯周病の人はそうでない人の2.8倍脳梗塞になりやすいといわれています。血圧、コレステロール、中性脂肪が高めの方は動脈疾患の予防のためにも歯周病の予防や治療は重要になります。
歯周病は以前から、糖尿病の合併症の一つと言われてきました。実際、糖尿病の人はそうでない人に比べて歯肉炎や歯周炎に罹患している人が多いという報告がされています。さらに、最近では歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという関係性も明らかになってきました。その反対に歯周病治療で糖尿病も改善することもわかってきています。
一般に妊娠すると歯肉炎にかかりやすくなるといわれています。
これには女性ホルモンが大きく関わってくるといわれており、特にエストロゲンという女性ホルモンがある特定の歯周病原細菌の増殖を促すこと、また、歯肉を形作る細胞がエストロゲンの標的となることが知られています。そのほか、プロゲステロンというホルモンは炎症の元であるプロスタグランジンを刺激します。これらのホルモンは妊娠終期には月経時の10~30倍になるといわれており、このため妊娠中期から後期にかけて妊娠性歯肉炎が起こりやすくなるのです。ただ、基本的には歯垢が残存しない清潔な口の中では起こらないか、起こっても軽度ですむため、妊娠中は特に気をつけてプラークコントロールを行ないましょう。油断すると出産後に本格的な歯周病に移行する場合もありますので注意が必要です。
歯周病と低体重児早産
近年、さまざまな歯周病の全身への関与がわかってきました。
なかでも妊娠している女性が歯周病に罹患している場合、低体重児および早産の危険度が高くなることが指摘されています。これは口の中の歯周病細菌が血中に入り、胎盤を通して胎児に直接感染するのではないかといわれています。その危険率は実に7倍にものぼるといわれ、タバコやアルコール、高齢出産などよりもはるかに高い数字なのです。
生まれてくる元気な赤ちゃんのために、確実な歯周病予防を行ないましょう。
誤嚥性肺炎とは、食べ物や異物を誤って気管や肺に飲み込んでしまうことで発症する肺炎です。
肺や気管は、咳をすることで異物が入らないように守ることができます。しかし、高齢になるとこれらの機能が衰えるため、食べ物などと一緒にお口の中の細菌を飲み込み、その際むせたりすると細菌が気管から肺の中へ入ることがあります。その結果、免疫力の衰えた高齢者では誤嚥性肺炎を発症してしまいます。特に、脳血管障害の見られる高齢者に多くみられます。誤嚥性肺炎の原因となる細菌の多くは、歯周病菌であると言われており、誤嚥性肺炎の予防は歯周病のコントロールが重要になります。
閉経後骨粗鬆症の患者さまにおいて、歯周病が進行しやすい原因として最も重要と考えられているのが、エストロゲンの欠乏です。
エストロゲンの分泌が少なくなると、全身の骨がもろくなるとともに、歯を支える歯槽骨ももろくなります。また、歯周ポケット内では、炎症を引き起こす物質が作られ、歯周炎の進行が加速されると考えられています。
多くの研究で、骨粗鬆症と歯の喪失とは関連性があると報告されています。したがって、閉経後の女性は、たとえ歯周炎がなくても、エストロゲンの減少により、歯周病にかかりやすく、広がりやすい状態にあると言えます。
また、骨粗鬆症の薬としてよく用いられるビスフォスフォネート製剤(BP系薬剤)というのがあり、これを服用している方が抜歯などをした場合、周囲の骨が壊死するなどのトラブルが報告されています。歯周病でぐらぐらしているから自分で抜く、などということは絶対に行わないようにしてください。
関節炎や糸球体腎炎が発症する原因のひとつとして、ウイルスや細菌の感染があります。
関節炎や糸球体腎炎の原因となる黄色ブドウ球菌や連鎖球菌の多くは、歯周病原性細菌など口腔内に多く存在します。これらのお口の中の細菌が血液中に入り込んだり、歯周炎によって作り出された炎症物質が血液に入り込むことで、関節炎や糸球体腎炎が発症することがあります。
基本的には歯磨き指導で患者さまが上手に磨けるようになるまではその先には進んでも効果が出ないのであんまり進みません。どうしても歯周病予防にはセルフケアが1番重要だからです。
スケーリングとは、歯に付着した歯肉縁上および歯肉縁下の細菌性プラーク、歯石、その他の沈着物を色々なスケーラーと呼ばれる道具を使用して、機械的に除去することです。
スケーリングの効果
治療で期待できる効果は、細菌性プラークが多量に付着してしまう原因を除去し,歯科医師や患者さまご自身が細菌性プラークを除去しやすい環境を作っていくことです。
1. 手用スケーラー
深いところや狭い部分についた歯石や超音波で取り残した歯石を丁寧に取り除き、きれいにする役割です。
2. 超音波スケーラー
超音波スケーラーは毎秒25,000~30,000サイクルでチップを振動させて使用します。振動で発熱するため、水を出しながらスケーリングします。メリットは、歯への衝撃が少なく、快適なことです。デメリットとしては、大まかに取り除くだけなので細かな部分や歯肉の中の部分に一部歯石が残る場合があるようです。
歯周ポケットの深さが5ミリ程度までであれば麻酔をして衛生士、あるいは歯科医師が機械的な手用器具あるいは超音波スケーラーといったものを用いて清掃することは可能です。つまり非外科的に歯周病を治療することは可能です。ただしそれ以上ポケットが深くなってくると、当然手用器具はポケット底にまで達しませんので、歯茎を開いて根を直接目で見て根面を清掃するといった専門的な手術(歯周外科)が必要になります。これをフラップ手術と言います。
歯肉を歯から剥がして、歯石が直接見ることで歯石やプラークの付着を明視野にして除去、清掃する方法です。歯周ポケットが5ミリ以上あり、根面に歯石がありその周りの歯ぐきが炎症を起こしている(歯肉の発赤、腫脹、歯ブラシによる出血)状態で行ないます。
フラップ手術の効果
治療で期待できる効果は、歯周ポケットの減少やセルフケアが行ないやすくなります。
フラップ手術後、その周りが一定期間しみやすくなるかもしれません。
メリット |
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・歯が残っているため物が良く噛める(自分の歯の噛む力を100とするとインプラント90、ブリッジ70、入れ歯40) ・顎の骨が喪失しにくい |
デメリット |
・歯周ポケットが大きいため汚れが入りやすく、炎症が起こりやすい ・歯がグラついていると物が食べにくい ・高齢者の場合、歯が抜けて誤嚥、誤飲のリスクがある |
メリット | ・歯が残っているため物が良く噛める(自分の歯の噛む力を100とするとインプラント90、ブリッジ70、入れ歯40) ・顎の骨が喪失しにくい |
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デメリット | ・歯周ポケットが大きいため汚れが入りやすく、炎症が起こりやすい ・歯がグラついていると物が食べにくい ・高齢者の場合、歯が抜けて誤嚥、誤飲のリスクがある |
メリット |
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・歯を抜くことにより感染組織がなくなるので口腔内の環境が良くなる ・歯周病などによる口臭の改善が見込める |
デメリット |
・物が噛みにくくなる |
メリット | ・歯を抜くことにより感染組織がなくなるので口腔内の環境が良くなる ・歯周病などによる口臭の改善が見込める |
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デメリット | ・物が噛みにくくなる |