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MFT(口腔筋機能療法)

MFT(口腔筋機能療法)とは

歯並びや咬み合わせの形成には、遺伝だけでなく幼少期の生活習慣や癖なども大きな影響を及ぼしています。舌突出癖や指しゃぶりが開咬や上顎前突を招くほか、アレルギー性鼻炎などによる口呼吸の習慣が、お口周りの筋肉の弛緩につながることもあります。

口腔筋機能療法(MFT)は、こうした後天的な筋肉の不調和を舌や口唇、頬などの口腔顔面筋のトレーニングを通して整えていく療法です。咀嚼時、嚥下時、発音時、安静時の舌や唇の位置の改善、および呼吸をはじめとした口腔機能(舌癖や口呼吸)の改善効果が期待できます。口腔機能が改善されることでお口の中が受け口や出っ歯などの不正咬合になりにくくなります。

不正咬合の原因となる癖や習慣

1. 指しゃぶり

指しゃぶりは、乳児の生きるための本能か、なにかを口で吸うという感触を最初に見つけて楽しむそうです。「口唇期」と言います。指しゃぶりもこの一つです。

発育の過程ですから、この時期に指しゃぶりをやめさせるのは良くありません。諸説ありますが口唇期はおおむね2歳頃までと言われています。3歳児健診の時に、指しゃぶりの影響がすでに歯列に現れている子がいます。
指しゃぶりは、指で上下の咬み合わせを悪くする状態になるほか、上の前歯を裏から押し続けることになるため、開咬や上顎前突を引き起こしやすくなります。

2. 舌癖

舌癖とは、日常生活の中で、気づかないうちに歯の間から舌を出したり、舌を歯に押し付けているような動作を指します。常に舌で前歯を押し出したり、食べ物を飲み込むときに舌を出したりするため前歯の歯並びに悪影響を及ぼします。
舌癖は、審美的な問題だけでなく、顎骨や歯牙の機能的な咬合関係を阻害して不正咬合を誘発することもある為、歯並びや発音に大きな影響を与えるのです。
舌癖のある人は、飲み込む度に舌で歯を押していることになるので、その結果歯と歯のすき間が開き、上下の歯がかみ合わなくなることがあります。また、喋る時もそのすき間に舌が入るため、サ行、タ行などが舌たらずな発音になることもあります。

3. 口呼吸

鼻炎などのアレルギー性疾患があると鼻で息がしづらく、口呼吸になります。やがて鼻呼吸をしなくなり、口を閉じにくくなっていきます。また、出っ歯のように物理的に口を閉じられない状態も、口唇閉鎖力の衰えを招きます。
もう一つは、口の周りにある筋力低下があります。近年、硬い物を噛み切ることが少なくなっており、またシャボン玉や口笛を吹く、風船ガムを膨らませるといった口遊びもあまりしなくなり、開口や出っ歯を引き起こしやすくなります。

4. 歯ぎしり、食いしばり

歯ぎしりの原因は、人によってさまざまです。
最も多いのはストレスで、環境が大きく変化した時や、嫌な思いをした時などに現れます。眠っている時に歯ぎしりが習慣化している人も少なくありません。また、歯並びが悪いことによって、歯ぎしりが生じている場合もあるのです。
歯並びが悪い場合、噛み合わせも悪いことが認められます。噛み合わせが悪いと、安静にしている時などでも上下の歯列の位置が不安定となって、強く噛みしめたり、歯ぎしりが誘発されたりするのです。あるいは、かみ合わせが悪いことによって、上下の歯の摩擦が大きくなり、歯ぎしりへと発展することもあります。

もともときれいな歯並びをしていても、歯ぎしりや食いしばりなどが習慣化することで、歯列不正や不正咬合を招くことがあります。歯に強い圧力がかかり続け、前歯が前方に傾いたり、奥歯が擦り減ったりするためです。その結果、出っ歯でやかみ合わせが深くなる過蓋咬合などを引き起こすことがあります。

5. 爪咬み、唇咬み

爪は堅いので、爪を噛み続けると前歯の歯の根が短くなったり、前歯の先端が減ったりと、成長期の歯や歯茎に負担がかかります。
また、前方での咬み癖などが起こる場合があり、それによって受け口を助長することがあります。
唇咬みは下唇を咬んだり吸ったりすることが多いのですが、上の前歯の唇側傾斜と言って、上の前歯が前に傾くことにより出っ歯になったり、開咬の原因になることがあります。

6. 頬づえ

頬杖により不適切な外力が顎骨にかかり,歯列の非対称な変形や下顎の偏位、交叉咬合をきたします。

7. うつぶせ寝、横向き寝

うつぶせ寝や横向き寝などを習慣にしているとV字歯列弓(通常より幅が狭くなり、長さが長くなる)と呼ばれる歯並びになる傾向があります。それは成長期のお子さんはもちろん、大人の方にも言えることです。
そして歯並びだけでなく顔貌にも影響を与え、顔の非対称なども引き起こします。

8. 早食い、丸呑み

よく噛むということはあごの発育に欠かせません。噛むことであごの骨は強くなり、周りの筋肉も強くなるのです。
人間は噛むことで唾液の分泌を促します、唾液が口の中を潤すと、虫歯や歯周病の発生も抑制されるのです。

チェック項目

・いつもお口を開けている
・くちゃくちゃ音を立てて食べる
・唇が荒れやすい
・風邪を引きやすい
・猫背
・よく噛んで食べない
・食事の時に水分摂取が多い
・硬いものを食べることが苦手
・常に舌の先が上下の前歯に触れている
・唇に力が入っていることがある
・よく歯にものが詰まり、そこを舌で触っている
・よく頬杖をつく
・うつ伏せや横向きに寝ている
・爪や唇をよく咬んでいる
・指しゃぶりをしている
・食べるのが早い
・食べるのが遅い

問診からわかること

1. いつもお口を開けている

開口の可能性があります。

2. 舌の正しい位置

舌の正しい位置は口を軽く閉じた時に舌先が上顎の真ん中にあるスポットという浅い凹みに収まるのが正しいポジションです。

3. 複数個チュックがある場合

上手に舌が動かせないか、お口の周りの筋肉がうまくついていない可能性があります。

MFTトレーニング(ベーシック)

これらのトレーニングはお家でも実践可能なトレーニングです。これらを行ってから歯科医院で舌癖に対するより本格的なトレーニングを行っていきます。
幼児から高齢の幅広い患者さまで実践可能なのでご興味ある場合はご連絡ください。