今日は歯科医師の小野寺です。
皆様はこの2年間新型コロナウイルスにどうにかかからないように過ごされて来たかと思います。
そのため旅行やお食事などに行くような楽しみが無かったかと思います。
しかし、こんな世の中であっても私が唯一良かったなと思える事はコロナ禍になり、バイタルサインと呼ばれるご自身の身体の状態を皆様がとても気にされるようになった事かと思います。
バイタルサイン
バイタルサインは英語でvital signs。
日本語で生命兆候と訳されます。
生命兆候とは、人間が「生きている」 ことを示す指標のことですのでとても重要です。
具体的には「脈拍」「血圧」「呼吸」「体温」の4つを指標とし、数値を測定することでその日の健康状態を知ることができます。
そして、数値の経過をみることで、身体がどのような状態かを医療従事者が判断することが可能になります。
例えば今のコロナ禍においては毎日の体温と動脈血酸素飽和度(Spo2)の値をお家でも測定する事で感染しているかどうかの指標になっていました。
その際に重要になってくるのが正常値でありまた、どこまでが正常範囲なのかという事です。
脈拍
脈拍は、1分間の間に心臓が拍動する回数のことを表しております。
脈拍は、身体のすみずみまで血液が行き渡っているかどうかを知る指標になります。
脈拍の数やリズムに異常があると、心臓や血液循環に関連した病気が疑われます。
また、リハビリやスポーツを行う時のADL(日常生活動作)や運動強度の指標にも用いられます。
脈拍の正常値は1分間に60〜100回。
個人差が大きく、年齢や体温、動いたあとなどの活動内容によっても、容易に数値が上下しますし、元々が脈拍40回の徐脈の方や100回の頻脈の方などもいます。
一般的に手首の親指側、動脈が触れる場所で測定するので脈拍と言われます。 自動血圧計で血圧を測定すると、血圧の数値の高い値と低い値、そして脈拍の数値が出てきます。
また、動脈血酸素飽和度(サチュレーション、Spo2)測定器(パルスオキシメーター)においても脈拍が表示されます。
歯科治療時では局所麻酔時の薬の影響や抜歯中の緊張などで脈拍が大きく上がることがあります。
血圧
血圧とは、心臓から全身に送り出される血液が血管を押す力のことです。
心臓が筋肉をギュッとしぼめた時を上の血圧(最高血圧)、逆に筋肉が最もゆるんだ時を下の血圧(最低血圧)といいます。
日本高血圧学会では、正常血圧は上の血圧が120mmHg、下の血圧が80mmHg未満と規定しています。
一般的には上の血圧が140mmHg以上、下の血圧が90mmHg以上の場合が高血圧症といわれています。
血圧を測ることで、心臓から出た血液がどれだけの力で血管を押しているかがわかります。
この血管を押す力が強いと、血管を傷つけてしまう恐れがあります。血管を傷つけてしまうと脳内出血や心臓病などが起こりやすいのです。
歯科では治療中に緊張によるストレスで血圧が大きく上昇することがありますので高血圧症の患者さんは常に生体監視モニターを行いながらの診療が必要な時があります。
呼吸
生物が身体を動かすエネルギーを作るために必要な要素の1つに酸素があります。
この酸素を肺で体内に取り込み、細胞で消費し、老廃物となる二酸化炭素を体外へと排出する仕組みが呼吸と言われています。
呼吸は見る、聞くことによってわかることが多くあります、また呼吸をしていても酸素を取り込む状態が悪いと身体に中の酸素が足りなくなってしまいますので、合わせて動脈血酸素飽和度(サチュレーション、Spo2)の値も非常に重要になります。
成人の場合、1分間に12~20回の数が正常値とされています。
正常値は年齢によって異なり、新生児では35~50回、乳幼児は30~40回と言われています。
これは新生児から学童期に至るまでの間は肺の成長途中であり、1回で換気できる量が少ないため、呼吸の数で取り込む酸素の量を補っているからです。
動脈血酸素飽和度(Spo2)とは、血液中にどの程度の酸素が含まれているかを示します。
血液中には酸素を運ぶヘモグロビンがあります。Spo2は血液中(動脈)にヘモグロビンの何%が酸素を運んでいるかを調べています。
正常値は96 %以上
95 %未満は呼吸不全の疑いがあり、90 %未満は在宅酸素療法の適用となります。SpO2 は、パルスオキシメータという簡易装置を用いて測定します。
体温
調子が悪いかな?咳が出るな?身体が倦怠感があるな?
そう思ったときには、まず体温を測る、という方も多いと思います。
私達は環境が変わって気温が変化しても、体温も同じように変化することはなく、ある程度は維持することができます。
その体温が変化していくと、体の中で何らかの異常が起きている場合があります。
熱が高いときは、体のどこかにウイルス感染症がある場合が多いです。
熱が低いときの原因としては、寒い場所に長時間いる場合やお酒の飲みすぎ、 栄養低下などが考えられます。
体温の平均値は一般的には、36℃〜37℃とされています.
個人差があり、体温を測定する時間や食事・運動などの活動、性別、年齢によっても変動します。36〜37℃が、身体の中の細胞を効率的に働かせる温度と言われています。
まとめ
バイタルサインは自分たちが生きていく、健康な生活を送るために重要な指標になります。
コロナ禍になり改めて自分がどのような身体の状態なのかを知った方も多いのではないでしょうか。
健康に長生きするためには日々のバイタルサインを調べ、異常が起きた時に早めに病院へ行き、ご自身の日常の身体の状態をうまく伝えることがとても大切になって来ます。
日付: 2021年11月24日 カテゴリ:ブログ and tagged #東京都、#江戸川区、#小岩、#南小岩、#歯医者、#口腔ケア、#細菌感染、#インフルエンザ、#, #歯科麻酔、#局所麻酔