こんにちは歯科医師の小野寺です。
昔に比べて前歯の歯と歯の間が空いてくるなと思うことありませんか?
昔はそんなに空いていなかったのに何故だろう??と思われる事があるかもしれません。
前歯が空いてくる原因は
1.歯周病により歯茎が下がってしますう。
歯周病は、歯の根を支える顎の骨を溶かしてしまう病気です。
顎の骨が溶けることにより、歯茎も下がるために歯が大きく露出し、結果として歯と歯の間に隙間が生じます。
2.奥歯の喪失
歯は、常に上と下の歯では噛み合い、横の歯同士では互いに押し合いながら現在の位置をキープしています。
そのため、虫歯や歯周病などで奥歯を失った場合、手前の歯が奥へと動くことがあります。次々と歯が後方へ移動していくと、いずれ前歯の隙間も広くなってしまいます。
また、上下で噛み合っている歯の一方を喪失すると上の歯は下に下がっていきますし、下の歯は上に上がってきます。
3.親知らずの影響
スペースが不足しているところへ親知らずが生えてしまった場合、そのしわ寄せで前歯に隙間が生じることがあります。
4.歯ぎしり
歯ぎしりは、歯のすり減りを進めるだけでなく、歯を動かしてしまうことがあります。
すきっ歯だけでなく、ガタガタになるなど、さまざまな歯並びの乱れを引き起こす原因になります。
5.舌癖
子供に多いですが、意識せずに舌で歯を押す癖のある方がいらっしゃいます。
内側から継続的に力が加わることで、前歯が前方に傾き隙間が生じます。
この癖は、舌のトレーニングなどで改善が可能です。
前歯がすきっ歯になることの影響
- 審美的に気になる
- 声を出すときに空気が漏れてしまい上手く発音出来ない
- 噛み合わせがズレてくることで上手く噛めない
- 歯並びが悪くなる
治療法
1、コンポジットレジン修復法(保険診療)
コンポジットレジン修復法とは、虫歯などで削った部位に際して、コンポジットレジン(プラスチックの樹脂)を充填するもので、 材料強度やその接着システムの進化により現在広く臨床応用がされています。
30分から1時間程度で処置を終えることができます。
歯と歯の間のスペースが大きくなければこの治療法で行う事が可能です。
2、ダイレクトポンディング法(自費診療)
ダイレクトポンディング法はコンポジットレジン修復法と方法は同じで、歯科用の白いコンポジットレジンを歯の表面に貼り付け形を整える方法です。
30分から1時間程度で処置を終えることができます。
保険診療のコンポジットレジンの違いは
コンポジットレジンに、細かいセラミックの粒子を混ぜたのがダイレクトボンディングで使用されるハイブリッドセラミックと呼ばれる材料です。
セラミックを混ぜ合わせることによって、研磨すると光沢を出し、天然の歯のような艶を実現できます。
また、数種類のレジンを合わせて、患者様の歯と合う色を作ることができます。
強度があり、歯の形の修復もできるため審美的にも美しく治療が行えるのが、保険適用のコンポジットレジンとの違いになります。
3.ラミネートベニア修復法(自費診療)
ラミネートベニアとは、歯の表面をごくわずかだけ削って、歯の色をした薄い板を貼り付けて見かけを改善する方法です。
イメージとしては歯を少し削り、指であればつけ爪(セラミック)をつけるような感じで歯の表面につけるような感じになります。
特徴としては以前は大きく歯を削り、クラウンを呼ばれる被せ物で対応していましたが、その治療法に比べて歯を削る量が少ないです。
また以前は取れやすいイメージがありましたが、近年接着力の高いセメントにより取れにくくなっております。
4.オールセラミッククラウン修復法(自費診療)
前歯を被せ物にすることにより歯と歯の間を埋める事ができます。
被せ物を行いますので審美的に綺麗な被せ物(隣の歯に近い)を作る事が出来ます。
デメリットとして、生きている歯の場合には大きく歯を削ることになりますので治療後に痛みや冷水痛が起こる事があります。
5.矯正治療(自費診療)
矯正治療によって前歯の隙間を改善することも可能です。
前歯の隙間だけ気になる、前歯の1~2本の並びの乱れが気になる、という方は、治療期間・費用を抑えられる部分矯正(マウスピース矯正)でも対応が可能です。
まとめ
前歯のすきっ歯は見た目の問題以外にも、発音や咬み合わせのトラブル、さらなる歯列の乱れを引き起こすことがあります。
また、食べかすが残りやすくなると、虫歯・歯周病のリスクが上昇します。
すきっ歯は、審美面・健康面のどちらから見てもデメリットがありますので、治療を受けられることをおすすめします。
治療法に関しては歯科医院へ通院し、先生と治療方法、治療期間、費用をよく聞いて始めていければ良いかと思います。
日付: 2022年9月21日 カテゴリ:ブログ and tagged #東京都、#江戸川区、#小岩、#南小岩、#歯医者、#口腔ケア、#細菌感染、#インフルエンザ、#