こんにちは歯科医師の小野寺です。
突然ですが江戸川区で行われている口腔がん検診をご存知でしょうか。
タレントの堀ちえみさんが2019年に舌がんと診断され、治療を行なったのが記憶に新しいかと思いますが、お口の中にもがんが出来るのです。
口腔がんの5年生存率は60~80%と言われています。初期症状のうちに発見すれば簡単な治療で治すことができ、後遺症もほとんど残ることはなく、5年生存率は90%以上との報告もあります。
しかし進行した口腔がんでは、手術により舌やあごの骨を切除してしまったり顔が変形したりすることがあり、そのため食事や会話が困難になり、日常の生活に大きな支障を残すことになります。だからこそ、早期発見が重要になります。
そのためにも口腔がん検診が重要になります。
江戸川区口腔がん検診
対象者 :40歳以上の区民
実施期間:通年実施
検査内容:視触診 ※医師が必要と判断し、かつ受診者が同意した場合には、細胞診を実施します。
受診方法:健診係へ電話申し込み後、郵送される受診券をもとに、受診会場へ電話予約のうえ、受診してください。
申込電話(健診係):03-5661-2463
月曜日から金曜日(祝休日を除く)午前8時30分から午後5時
口腔がんとは
口の中全体を口腔と言い、ここにできるがんを総称して口腔がんと呼んでいます。
口腔がんの種類
口腔がんはできる場所によって名称が別れており
- 舌がん
- 歯肉がん
- 口腔底がん
- 頬粘膜がん
- 口蓋がん
- 口唇がん
に分類されます。部位別では舌がんが最も多く、次に多いのが歯肉がんとなります。
発生頻度は、がん全体の1〜3%程度と決して多くありませんし、他のがんとは違い、患部を直接見ることができるので早期発見しやすいがんといえるでしょう。
症状
- お口の中の痛み
- しこり
- 腫れ
- ただれ
- 出血
- なかなか治らない口内炎
発症原因
- 喫煙:口腔がんが発生する最大の原因は他のがん同様、喫煙です。喫煙者の口腔がん発生率は非喫煙者に比べ約7倍も高く、死亡率は約4倍も高いという報告があります。
- 飲酒:喫煙に次ぐ原因となるのが飲酒です。特に50歳以上の男性で、毎日たばこを吸い、なおかつお酒も飲まれる方は最も危険です。飲酒時の喫煙は、たばこに含まれている発がん性物質がアルコールによって溶けて口腔粘膜に作用するため、よりリスクが高くなると考えられています。
- その他:お口の清掃不良やムシ歯の放置、合わない入れ歯や破れたかぶせ物のなどによる慢性的な刺激も原因として挙げられています。
原因を踏まえてがん予防として
- 喫煙、飲酒を控える
- 正しい食生活
- 歯磨きやうがい、定期検診でお口の中を清潔に保つ
- 合わない入れ歯や壊れてしまった被せ物は放置せずに治療を受ける
などのことが重要になってくると思います。
セルフチェック
他のがんとは違い口腔がんは、お口の中にできるので自分でも簡単に見ることができます。従って、初期の段階で発見することも可能です。
セルフチェックの方法
必要な物は大きめの手鏡と指に巻くガーゼやティッシュ。下の表に書かれている順番にチェックしていきましょう。
- 明るい場所で大きめの鏡を用意しましょう。
- 入れ歯は外しましょう。
- 上下の唇の内側や歯肉①の状態を観察しましょう。
- 頬を指で軽く引っ張って頬の内面②を観察しましょう。
- 裏側の歯肉③を観察しましょう。
- 口蓋(上あご)④は少し上を向き色の変化を観察。指で触れて、しこりや肥大の有無を確認しましょう。
- 舌の表面、左右の側面、上にあげて裏側⑤⑥と口腔底を観察。ガーゼやティッシュを巻いた指で舌を挟み、優しく引っ張るなどして異常がないか確認しましょう。
※日本歯科衛生士会HPより引用
セルフチェックだけではなく何か少しでも気になる事があればかかりつけの歯科医院さんへ行きチェックしてもらうことをお勧めいたします。
まとめ
毎年口腔がん検診を実施して江戸川区にて発見し、治療が行われています。治療を早期に行えれば治る可能性が高い病気なので早期発見、早期治療をとても重要であると思います。
是非検診を希望される方はお電話いただければと思います。
日付: 2021年8月25日 カテゴリ:ブログ and tagged #小岩、#江戸川区、#歯医者、#歯科医師、#口腔がん検診、#舌がん、#歯肉がん、#痛み、#しこり、#腫れ、#ただれ、#なかなか治らない口内炎