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なぜ歯医者さんは怖いのか?

今日は歯科医師の小野寺です。

唐突ですが歯科治療って怖くありませんか?

私も子供の頃治療してもらうたびに泣いていた記憶があります。

どうして歯科治療は怖いの?

医療の方が治療としては怖い事もあると思いますが歯科の方が怖い患者さんが多いのは

  • 今どの歯を治療しているのか、どんな治療しているのかが分からない。
  • 歯科治療中や局所麻酔時の痛みがあるのが嫌。
  • 歯を削る時の切削器具の音が嫌だ。
  • 薬品の匂い。
  • 型取りが苦手で苦しい思いをした。
  • 子供の頃に押さえつけられたりした記憶がある。
  • 歯科治療中に気分が悪くなったりしたことがある。
  • 歯医者さんによく怒られた。

などが挙げられます。

これらのことが重なり歯科治療に対する歯科恐怖心やパニック発作が引き起こされます。

歯科恐怖心のメカニズム

自分にとって危険なものを察知すると、脳は「逃げろ!」というような信号を発します。
体はその信号を受け取って、危険なものから逃れるための反応を起こします。

例えば歯が痛くなって歯医者さんに行かなければならないのに思いとは相反して歯医者に行くなと言う反応を脳が身体に送ります。それは脳が危険を察知し、すぐさま「逃げろ」というサインを送り、それを受け取った体は身を守るために動くという一連のプロセスを経ているのです。
この反応自体は正常なものですし、生きていくために不可欠なものです。ところが歯科恐怖心が強くなってしまうと、このプログラムが必要以上に反応するようになってしまいます。

その結果、脳に反して歯科医院に行き、歯科治療を行うことで緊張が高まり発汗、震え、気分不快などの症状が出てきて、さらに進むと動悸や呼吸困難を起こす可能性があります。

歯科恐怖症患者さんに対する取り組み

歯科医院でも歯科恐怖症患者さんに対して恐怖心が強くならないように色々な対応しております。

当院では

・今どの歯を治療しているのか、どんな治療しているのかが分からない。

→患者さんごとに治療前、治療後の説明、出来る限り口腔内写真を撮影して眼で見て確認してもらうようにしております。

・歯科治療中や局所麻酔時の痛みがあるのが嫌。

→痛みが伴う処置の時には局所麻酔の有無を麻酔を初めから打つか、痛みが出てから打つのか確認。また、局所麻酔使用時には表面麻酔の使用を行い、電動麻酔を使用し時間をかけて麻酔が奏功するのを待った後治療を行っております。

・歯を削る時の切削器具の音が嫌だ。

→どうしても歯科治療を行う時に高速で切削器具を使用するため音を抑えることができません。そのため対策が難しいのですが今後イヤホンなどをしてもらいながらの診療を検討しております。

・薬品の匂い。

→最近の歯科医院ではあまり歯科医院独特の薬の匂いが少なっているように思います。当院でも刺激臭のある薬品を使用をあまりしていないのと空気清浄機の使用などで対応しております。

・型取りが苦手で苦しい思いをした。

→当院では条件によりますが口腔内スキャナー(Primescan)を使用し、型取りを行うことで嘔吐反射の発現を抑えるようにしております。また、従来のアルジネート(粘土のような型取り)印象を行う際にも場合により硬さなどを変えることでお口の中に入れておく時間(1分半〜3分)を短くしています。

それでも苦しければ静脈内鎮静法を行い型取りを行います。

子供の頃に押さえつけられたりした記憶がある。

→当院では緊急を場合を除き押さえつけたりして治療を行わないようにしております。少しづつ治療に慣れるように歯磨きを行なったり、小さい虫歯から初めていきます。

・歯医者さんによく怒られた。歯科治療中に気分が悪くなったりしたことがある。

→歯科治療中の体調の変化は患者さんに過度なストレスがかかった事が大きな要因かと思われます。痛みを出さないように麻酔をしっかりと行い、声がけして上げることでなるべくストレスがかからないように診療を行なっております。

それでも歯科恐怖心が強い患者さんには静脈内鎮静法を行いながら診療をしております。

まとめ

歯科恐怖心が強い患者さんに対してなるべくストレスがかからないような治療を全ての歯科医師が心がけています。

しかし、怖くてどうしても歯医者さんに行けないような状態になってしまう事もあります。その場合にはかかりつけ医やお近くの歯医者に相談し、上手く治療を勧められるなら勧めていき、それでも治療が難しければ全身麻酔や静脈内鎮静法を行なっている歯科医院や大学病院へ行き、ストレスが少ない状態で治療することで歯科恐怖症の患者さんが少しでも減ってくれればと思います。

 

 

 

 

 

 

南小岩の歯医者 | 小野寺歯科医院

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静脈内鎮静法

当院では静脈内鎮静法で歯科治療を受けてもらう事が有ります。

患者様の中には歯科治療が恐かったり、嘔吐反射があり治療を受けることが難しい事があるからです。

また、高血圧や狭心症等の基礎疾患がある患者様にも行います。

静脈内鎮静法とは

患者様に対して点滴をとり、静脈内に抗不安薬や静脈麻酔薬などを用いてリラックスした状態で緊張や嘔吐反射や血圧の上昇等を抑えながら安全に歯科治療を行うことが出来ます。

静脈内鎮静法のメリット

・肉体的、精神的なストレスが緩和されるため治療に対する苦痛を極力少なく治療することが出来ます。

・治療の刺激に対する反応が抑制されるので血圧や心拍数等のバイタルサインが安定します。

・健忘効果があり治療中の記憶がほとんどありません。

静脈内鎮静法の適応

・歯科治療に対して不安・恐怖心が強い患者様

・長時間処置や侵襲の大きな歯科治療時

・高血圧症や狭心症等の全身疾患を有する患者様

・嘔吐反射が強く治療が困難な患者様

静脈内鎮静法を行う際の注意点

・禁食(4時間前)、禁水(2時間前)を守ってもらいます。

・お薬は基本的にはいつも通り服用して頂きます。

・静脈内鎮静での処置の際、お車での来院を遠慮していただいています。

・体調が悪かったりする際にはお話を聞いて中止するかもしれません。

・処置中は血圧、心拍数、末梢動脈血酸素飽和度(Spo2)を計りながら処置を行います。

まだまだ全国的には浸透していない治療法ですが患者様の不安や恐怖心を抑え術中の循環変動を抑える事が出来る治療法です。

是非とも御興味のある患者様はご連絡ください。

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