こんにちは歯科医師の小野寺です。
突然ですが前歯に白斑(ホワイトスポット)がずっとある事ありませんか?
歯医者さんに相談しても経過観察か削って白い詰め物(コンポジットレジン修復)を行うかしか治療法がありませんでした。
しかし、最近になり白い白斑(ホワイトスポット)を削らずに治療できるアイコン(Icon)と呼ばれる治療法が出てきましてので説明致します。
アイコン(Icon)とは
アイコンとは欧米で開発された特殊な薬剤で、歯を削らずに初期虫歯やホワイトスポットなどの白斑を治療する材料です。
ドリルや麻酔を使わず、痛みもほとんどなくエナメル質を再石灰化しホワイトスポットの改善を見込みます。
アイコンは、酸によって脱灰したエナメル質に薬剤をしみこませることによって、歯を削ることなく、また早期にホワイトスポットを改善させ、エナメル質からミネラルが溶け出すのを防ぎます。
また、アイコンはエナメル質を補強して酸性になるのを防ぎ、ホワイトスポットの再発を防止する効果もあります。
※YOSHIDA アイコンカタログ表引用
ホワイトスポットは何故できるの?
アイコン治療を行う前にまずなぜホワイトスポットが出来るのかを知らなければいけません。
ホワイトスポットには大きく分けて2つの原因があります。
1、虫歯が原因で出来るホワイトスポット
初期う蝕(初期虫歯)によるホワイトスポット の特徴は脱灰と言われる現象です。
虫歯菌が作り出す酸によって歯のリンやカルシウムが溶け出すことを脱灰といいます。
これが虫歯の始まりですが、初期の虫歯では脱灰は生じていてもまだ穴はあいていません。歯の表面は溶けないで内部から溶けていくのです。
脱灰が生じている部分は細かい空洞がたくさん出来るため、この部分が他の健全な歯と較べると光の屈折率や透過性の違いで白く見えます。
2、エナメル質形成不全が原因のホワイトスポット
乳歯のときに外傷や感染、または病気や栄養障害により歯の表面のエナメル質が正しく作られなかったことにより、その部分がホワイトスポット になることがあります。
これらをエナメル質形成不全と呼ぶます。
エナメル質形成不全は虫歯ではありませんので脱灰は生じません。
エナメル質が正しく作られなかったために健全な部分とは光の屈折率や透過性が違うので白く見えます。
アイコン治療の原理
アイコン治療は、液状の特殊なプラスチック樹脂をエナメル質のカルシウム成分が失われた脱灰部分に浸透させ、白濁を抑えミネラルが失われるのを防止します。
またアイコンには、エナメル質を補強して、お口の中に入ってくる酸による脱灰を予防する効果もあります。
アイコン治療方法
※YOSHIDA アイコンカタログ表引用
アイコン治療の利点
- アイコン治療は歯を削りません。
従来のホワイトスポット治療のように、白い斑点の部分を削って詰める治療ではありませんので、歯はほとんど削りません。 - アイコン治療は効果が早い
カルシウムを補う歯磨き粉でホワイトスポットの改善を期待する場合、長い時間がかかり、効果があまり出ない場合も多々あります。アイコン治療はその場で薬剤をしみこませるため、早ければ1回の治療でホワイトスポットが改善します。(効果には個人差があります) - アイコン治療は歯を強化する効果もある
エナメル質に液状のプラスチック樹脂を浸透させるので、エナメル質を強化する効果も期待できます。
アイコン治療の欠点
- 穴が開いているような通常の虫歯は不適応です。
アイコンは液状のプラスチック樹脂をエナメル質に浸透させる治療ですので、実際に穴があいているような通常の虫歯は不適応です。
- アイコン治療後にはホワイトニングができなくなります。
アイコンは液状のプラスチック樹脂をエナメル質に浸透させるため、アイコン治療の後ではホワイトニングの薬剤が歯に浸透しなくなり、ホワイトニング効果もでません。
- 他にホワイトスポットの大きさや深さ、状態によって治療には個人差があります。そのため1回のアイコン治療ではホワイトスポットが消失しなかったり、治療後徐々に時間をかけて(1ヶ月程度)消失することもあります。
まとめ
アイコン治療は歯を削らずにホワイトスポットを消失することができる治療法です。
利点として
・歯を削らずに治療できる
・治療してすぐにホワイトスポットが消失する事がある。
欠点として
・適応でない事がある。
(穴が空いてしまっている虫歯やエナメル質形成不全には効果が出にくいと言われています。)
・ホワイトスポットの大きさや深さ、状態によって治療には個人差があります。
そのため1回のアイコン治療ではホワイトスポットが消失しなかったり、治療後徐々に時間をかけて(1ヶ月程度)消失することもあります。
そのため当院ではアイコン治療して1ヶ月後に再評価のため来院していただきます。
ホワイトスポットが消失なければもう一度アイコンさせていただければと思います。
日付: 2022年1月19日 カテゴリ:ブログ and tagged #Icon, #東京都、#江戸川区、#小岩、#南小岩、#歯医者、#口腔ケア、#細菌感染、#インフルエンザ、#