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カテゴリ: ブログ

アレルギーがある患者さんの対応

今日は歯科医師の小野寺です。

近年アレルギーのある人が増加傾向にあります。

今から50年前日本ではアレルギーは、ほとんどありませんでしたが、現在では国民の3人に1人が何らかのアレルギーを持っているといわれています。

欧米やわが国などの先進国で非常に大きな問題となっており、工業化・文明化とアレルギーは密接に関係があるようです。

アレルギーとは

私たちの体には、細菌・ウィルス・寄生虫などの感染性微生物や異物などから、身を守るための免疫という仕組みが備わっています。

この免疫の働きが、現代文明による環境やライフサイクルの変化によって異常を起こし、くしゃみ、発疹、呼吸困難などの症状を起こしてしまう状態がアレルギーです。

アレルギーの種類(歯科と関わりがある)

アレルギー疾患には症状・経過とも多様な疾患が含まれます。

1、食物アレルギー

食物アレルギーは、ある特定の食べ物を食べたり、触れたりした後にアレルギー反応があらわれる疾患です。
食物アレルギーの原因となる物質であるアレルゲンは、主に食べ物に含まれるタンパク質で、乳幼児期には小麦や大豆、鶏卵、牛乳などが、学童期以降では甲殻類や果物、そば、魚類、ピーナッツなどのように、加齢に伴って食物アレルギーの原因が変わっていくという特徴があります。

2、薬剤アレルギー

薬剤アレルギーとは 薬剤アレルギーは薬剤によって引き起こされる過敏反応で、薬剤が持っている本来の作用とは関係なく一部の人に起こります。 使用した薬剤の量が少量でも、症状が出ることがあります。

3、金属アレルギー

金属アレルギーとは種々の金属への接触により生じる、アレルギー性の接触皮膚炎です。難治性の手湿疹などの背景に金属アレルギーが認められる場合もあります。金属は体内に存在するタンパクと結合することにより、アレルギー性を獲得するようになります。

4、喘息

気管支喘息とは、主に気管支に炎症が起きている状態です。

炎症により気管支が狭くなったり(狭窄)、刺激に対して過敏な反応を示したりします。
連続した咳やたん・呼吸困難・喉の奥がゼイゼイ・ヒューヒュー鳴る(喘鳴)などの症状が現れます。ダニやカビなどのハウスダスト、スギ花粉、ペットたちのフケに含まれるタンパク質など、さまざまなアレルゲンが気管支喘息の原因になるため、注意が必要です。

歯科での事前アレルギーの対応

1、食物アレルギー

歯医者さんで食物アレルギーを聞かれることがあると思いますがその多くがラテックスグローブのために聞いております。

ラテックスアレルギーを持っている場合、歯医者の現場で頻用されるゴム製のグローブでアレルギー反応を起こしてしまう場合があります。

そして、アレルギー反応が起こってしまえば最悪の場合アナフィラキシーショックという大変危険な症状が出て、命に関わることもあり得ます。

このアレルギーの原因は天然ゴムに含まれるラテックスというタンパク質なのですが、似たような形状のタンパク質でも同様のアレルギー反応を起こしやすい特性があります。

その似たような形状のタンパク質を持つ物が、アボカド・バナナ・イチジク・メロン・マンゴー等のフルーツです。

これらのフルーツにアレルギー反応を示す人はラテックスにも高い確率で反応してしまいます。

今歯医者さんではニトリルグローブの使用が多く使用されているのでラテックスが使用頻度が減っているかと思います。

2、薬剤アレルギー

1)鎮痛剤でアレルギー

歯科領域において使用頻度の高い鎮痛薬はロキソニン、カロナールが考えられます。

鎮痛剤でアレルギーがある場合には該当薬剤以外の鎮痛剤を使用するか、医科の先生に対診を行い進めていく必要があります。

2)抗生剤でアレルギー

歯科領域において使用頻度の高い抗菌薬はβ‐ラクタム系薬剤(サワシリン等)と考えられ,これにアレルギーのある患者には代替え候補として,他の系統の抗生物質を使用する必要があります。

3)局所麻酔薬でアレルギー

歯科領域において使用頻度の高い局所麻酔薬はリドカイン塩酸塩・アドレナリン配合剤(キシロカイン)と考えられ,これにアレルギーのある患者には代替え候補として,メピバカイン塩酸塩(スキャンドネスト),プロピトカイン塩酸塩・フェリプレシン配合剤(シタネスト)等が考えられる.

全てアミド型のため代替え候補と言い難い側面もあるものの,幸いアミド型の局所麻酔薬はアレルギー症状の発生頻度が低いことが知られている.

局所麻酔薬アレルギーが疑われる患者は多剤アレルギー患者の可能性もあるので,外科処置を必要とする場合は全身麻酔下や静脈内鎮静法も考慮した治療計画を立てることが必要です.

3)金属アレルギー

歯科で使用する金属にアレルギーが疑われる場合には金属を変更する。

金属アレルギーの検査を皮膚科で行い、アレルギーとの診断書があれば詰め物を保険適用などで変更する事が可能です。

今は診断書が無くても保険適応で白い詰め物を行える範囲が多くなりました。

※1番奥の歯などは白い詰め物ができませんので詳しくはかかりつけ医に相談してみてください。

 

4)喘息

喘息は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)といわれる鎮痛薬を服用するとおきる気管支喘息です。30歳以上で発症しやすく、成人喘息患者の10%前後にみられます。

アスピリン喘息があると治療時に処方されるロキソニン、ボルタレンといった多くの鎮痛薬は非ステロイド性抗炎症薬のため、服用ができません。

カロナールや他の薬剤で代用します。

※カロナールも喘息の場合には注意が必要なので問診が重要です。

アレルギー(特にアナフィラキシーショック)発症時の初期対応

アレルギー症状の中で最も注意を要するものがアナフィラキシーであり,厚生労働省の人口動態統計によると,医薬品が原因の死亡数は年間30人前後である.

そのため起こった時の初期対応がとても重要になります。

アナフィラキシーの初期対応

1、バイタルサイン(脈拍、血圧、意識レベル、呼吸、体温)の確認

2、助けを呼ぶ

3、アドレナリンの筋肉注射

4、患者さんを仰臥位にする

5、酸素投与

6、静脈ルートの確保

7、心配蘇生

8、バイタル測定

まとめ

アレルギーの対応は、患者さん個人個人で疾患や症状が違うため最初の問診がとても重要になってくるかと思います。

しっかりと問診を行い、事前準備しておく事で安全に診療を行えるかと思います。

それでも歯科治療時にアレルギー対応が必要になることがありますので医院としてはスタッフ全員で初期対応を覚えておく事が重要です。

 

 

 

 

 

 

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マウスピース矯正(クリアコレクト )とは?

こんにちは歯科医師の小野寺です。

近年、マウスピース矯正がとても流行しております。

個人的にはマウスピース矯正は部分的(前歯の歯並びを治したい)に治療する方法としてとても良い治療法だなと思っております。

※クリアコレクト HPより引用

しかし、どんな治療でもメリット、デメリットなどがありますので理解されてから治療を行うと良いかと思います。

マウスピース矯正とは

マウスピース矯正とは、ワイヤーやブラケットを使わず、透明なマウスピース型の装置で歯を動かす新しい矯正方法です。

人と会ったり喋る機会が多い仕事の方でも、他人に気づかれずに歯列矯正を行えるマウスピース矯正は、社会人の方や年配の方でも負担の少ない矯正方法と言えます。

マウスピース矯正がオススメな人

  1. 仕事上などで見た目が気になる人
  2. 歯を抜かずに治療をしたい人
  3. 金属アレルギーの人
  4. 来院回数をなるべく抑えたい人

マウスピース矯正の適応症例は?

  • 歯並びの軽度な歪みや前歯の軽い出っ歯
  • 歯並びの軽度な受け口や開咬
  • 軽度な咬み合わせの問題(上下の歯が正しく噛み合わない状態)

※当院での適応の条件です。

※クリアコレクト HPより引用

マウスピース矯正の適応でない症例は?

  • 重度の歯並びの問題
  • 歯周病が重度な場合

などが挙げられます。

当院で行うマウスピース矯正(クリアコレクト )

当院で行なっているのはクリアコレクトというマウスピース矯正を行っております。

※クリアコレクト HPより引用

特徴として

2006年にアメリカで開発されたマウスピース矯正装置です。歯科インプラントで有名なストローマンが提携しており、インビザラインに次いで実績があるマウスピース矯正装置です。

1、透明で目立たないマウスピース型装置

透明で薄いマウスピース型の装置のため、装着していてもほとんどわかりません。

また、マウスピースの厚さは、0.762㎜と薄く、他のマウスピース矯正のメーカーの装置より薄く作られています。

2、優れたホールド性能で、保持能力が高い

クリアコレクトのマウスピースは、他のマウスピースの装置と異なり、少し歯肉を覆う形状になっています。

この形状が歯をホールドし、歯とマウスピースのフィット感をアップさせます。

クリアコレクト の利点(ワイヤー矯正と比較して)

  • 透明なマウスピースをセットするだけなので目立ちません。
  • 取り外しが出来るため、通常の食事が取れる。
  • 歯ブラシもマウスピースを外して行うので虫歯になりにくい
  • ワイヤーや器具を入れないため頬や唇を傷つけない
  • 装置の脱離や破折などがない
  • 装置装着の期間が短く済む

クリアコレクト の欠点(ワイヤー矯正と比較して)

  • 1日22時間装着していなければいけない。
  • マウスピース変更時には2、3日の間痛みや窮屈な感じが生じます。
  • マウスピースを外してからお食事をしなければいけない
  • 外すことにより紛失することがあります。
  • 計画通り歯が動かなければ再度プランを練り直すため期間が延びる事がある。(特に下顎)
  • マウスピースを装着すると初め喋りにくいことがあります。(徐々に慣れていきます)

治療の流れ

1、問診、口腔内診査、資料採得(レントゲン写真、口腔内写真、模型採得)

2、治療計画説明

3Dシミュレーションでどのように歯が動いていくか説明していきます。

※クリアコレクト HPより引用

説明したプランで同意が得られたらアメリカにあるクリアコレクト社に発注をかけます。(到着するまで3週間〜1ヶ月かかります。)

3、治療開始

初回のマウスピース装置をお渡しし、説明や装着確認、着脱の練習を行います。

4、治療完了・保定期間

全てのマウスピースを交換し終わることで治療完了となります。

その後、保定期間となり歯並びが後戻りしないよう経過をみていきます。

まとめ

マウスピース矯正は部分的(前歯の歯並びを治したい)に治療する方法としてとても良い治療法です。

メリット、デメリットありますが興味がある方は1度ご相談いただければと思います。

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子供の虫歯を予防するにはどうすれば良いの?

今日は歯科医師の小野寺です。

暑い日が続きますね、東京では7月猛暑日が13日と過去最高になったそうです。

猛暑日とは最高気温が35℃以上の日に事を言うそうです。

お子様たちは夏休みで海や花火大会、旅行など色々なイベントがありますね!

その際に気をつけなければならないのは、夏はとても虫歯になりやすい季節でもあるのです。

それは、この夏の暑さで冷たいジュースやアイスを食べることが多くなるからです。

虫歯の原因は?

虫歯の原因はプラーク(バイオフィルム、歯垢)です。

プラークに潜む細菌(ミュータンス菌など)が作り出す酸によって、歯が溶かされた状態が虫歯です。

細菌は砂糖(糖分)を栄養源とするため、甘い物は虫歯になりやすくなる原因の一つです。
糖分の摂取だけでなく、歯磨きの仕方や唾液量の不足など、細菌の働きや繁殖を高める要因(リスク)は多数あります。

そのため、効果的に虫歯を予防するには、さまざまな角度からの対策が必要でしょう。

虫歯の成り立ち

昔小学校でpHと言うのを習ったのを覚えているでしょうか。

pHはイオン指数の英語の略で、リトマス紙を使って、酸性、アルカリ性を判定するための指数でpH7が中性とされているものです。

歯の表面には、固いエナメル質というものがありますが、エナメル質は酸にとても弱い性質を持っています。

pHが5.5以下になると歯が溶け始めるのです。

つまりはpHが7より小さいものは虫歯になるリスクが高いということになるので飲み物のpHを知ることが大切になります。

水・ミネラルウォーターは7.0で近いものでは牛乳(pH6.8)があります。

お茶や無糖コーヒーはpH6.0~6.5となるので暑い季節はこれらを水分補給とするといいと思います。

ここからは虫歯のリスクが高くなります。

意外に思うかもしれませんが紅茶は市販のものだと砂糖が入っておりpHが5.5ですので、飲みすぎには注意ですね。

代表的な飲み物ではオレンジジュースは4.0、スポーツドリンクは3.5、コーラは2.2という数値です。

コーラを飲むと歯が溶けるといわれるのはpHが他のものに比べるととても低いことからだとわかりますね。

甘いものを食べたり、飲んだりしたらすぐに虫歯になってしまうのか?

甘いものを食べたり、飲んだりしてもすぐに虫歯になるわけではございません。

お口の中の唾液が出ることで、唾液の成分によって溶けて歯から出ていったカルシウムを元に戻す働きがあります。

これを再石灰化といいます。

再石灰化が行われるのであれば虫歯にならないのでは?

確かに甘い食べ物や飲み物によりpH5.5以下になったとしても再石灰化が行われるのであれば虫歯にならないのではと思われるかもしれません。

しかし、実際は皆さん虫歯になってしまうことがあるかと思います。

その原因の1つが食べ物や飲み物を摂取する時間帯にあります。

定期的に朝ごはん→お昼ご飯→おやつ→お夕飯と時間空けて規則正しく食べていればあまり問題ないのですが不規則にお菓子を食べたりすることで再石灰化のサイクル(40分ほどかけて中性に戻ります)が追い付かなくなり、pHがずっと5.5以下の状態になる為どんどん歯が溶けていってしまします。

その為ダラダラ食べや飲みをすることで虫歯のリスクが高くなっていくので、時間を決めて飲むようにして、その後は歯磨きを必ずするようにしましょう。

もう1つ再石灰化を促進する方法として歯医者さんで高濃度のフッ素塗布を行う方法です。

今歯磨き粉にもフッ素が多く含まれるようになってきました(1500ppm以下)が歯医者さんで塗布するフッ素は9000ppmと高濃度になります。

歯医者さんでフッ素塗布を行うことで

・歯の再石灰化の促進

・歯を強くする

私たちの歯はハイドロキシアパタイトと呼ばれる物質で構成されています。

この物質はとても硬いのですが、酸によって溶けやすい性質も併せ持っています。

フッ素のよって歯の再石灰化が促進される際には、フルオロアパタイトと呼ばれるフッ素が入り込んだ物質へと作り変えられ、むし歯菌に負けない強い歯を作ることが可能となります。

子供の虫歯を予防するには

子供の虫歯を予防するには

  1. 規則正しい食生活
  2. 食べ物を食べた後の歯磨き
  3. 歯医者さんの定期検診で虫歯チェックとフッ素塗布

この3つが重要になります。

この夏休みの機会に定期検診や虫歯チェックに歯医者さんに来てみては如何かなと思います。

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歯医者さんで無痛治療は本当に出来るのか?

こんにちは歯科医師の小野寺です。

歯科治療は怖くて、痛いイメージが強いかと思います。

患者さんはなるべく痛くなく、ストレスなく治療をしてもらいたいと思っているかと思います。

最近歯医者さんで無痛治療行いますとネットに書いてあるのを見かけることがあります。

本当に歯医者さんで無痛治療を行うことが可能なのか?

出来るなら患者さんは精神的にも肉体的にもストレスなく治療を行えるので理想の治療法ではないでしょうか。

歯科における無痛治療とは

歯科治療の術前術後になるべく痛みが出ないように治療を行う事です。

残念ながら完全に痛みを感じない様にすることは難しいかと思います。

しかし、どの歯科医院さんでも痛みを極力抑えるための工夫を行なっております。

 

歯科治療中に痛みを感じている部位は

口の中で痛みを感じる部位は歯の中の神経、歯を支えている顎骨、歯肉の3つです。

この3つのどこかに刺激が加わると痛みとして脳に信号が送られるのです。

神経の残っている歯の虫歯の治療をしている時に感じる痛みは、歯の中の神経が感じている痛みです。

虫歯を取り除くことによって外界と神経が近接し、神経へ熱などの刺激が伝わりやすくなり、脳に痛みとして認識してます。

神経が無い歯の虫歯の治療をしていても痛みを感じることもあります。

その時に痛みを感じている部位は骨です。歯を支えている顎骨に振動が加わり、骨の中の炎症部位が痛みを感じています。

そして、もう一つ痛みを感じる部位が歯肉です。歯科治療中に器具が歯肉に強く触れてしまうと、痛みが生じます。

日常生活で突然感じる口の中の痛みは、歯の中の神経、歯を支えている骨、歯肉のどこかに異常が発生して感じている痛みです。

歯科治療中の痛みを取るには

1、局所麻酔

治療中の痛みを防ぐ方法は浸潤麻酔です。つまり麻酔の注射です。

特に神経の残っている虫歯の治療は基本的には説明を行い、痛みが確実に出そうな虫歯には麻酔の注射をしたうえで虫歯治療を行っていきます。

小さい虫歯でしたら先に麻酔の注射を行うか、虫歯治療を行い痛みが出てきたら麻酔の注射を行うか患者さんに説明してから治療を行います。

神経のない歯の虫歯の治療でもお痛みが強い場合には麻酔をした上で治療をしていきます。骨に強い炎症がなければ麻酔なしで治療を行います。

歯石の除去に伴う痛みに関しては軽度の歯石の沈着であればほとんどの場合で麻酔なしで治療が可能です。

当院での局所麻酔方法

  1. 表面麻酔塗布
  2. 局所麻酔(2秒前後、この時に少し痛みが生じます)
  3. 2-5分ほど麻酔が効くまで待つ
  4. 局所麻酔を追加(電動麻酔)
  5. 2-5分ほど麻酔が効くまで待つ
  6. 歯科治療開始

2、静脈内鎮静法

歯科治療や手術に際して鎮静剤の点滴を行うことによって、リラックスした状態で治療を行う方法です。

全身麻酔のように完全に眠ってしまうのではなく、うとうとしたようなぼんやりした状態になり、治療に伴う不安や恐怖感、ストレスによる血圧や脈拍の変動、嘔吐反射などの症状を軽くすることができます。

痛みも多少感じにくくはなりますが十分ではないため、局所麻酔を併用して抑えていきます。

そのため治療中の痛みなどはほとんどの場合感じなくなります。

静脈内鎮静法の適応

  • 歯科治療が怖い方
  • 以前に麻酔や治療でドキドキして気分が悪くなったり、意識を失った経験がある方
  • 嘔吐反射が強く、口の中に治療器具が入ると吐きそうになる方
  • 長時間の治療が必要な方
    (例:インプラントのための骨移植や、4本の親知らずを同時に抜歯する時など)

当院での静脈内鎮静法の方法

  1. モニターで血圧、SPO2チェック
  2. 静脈確保(この時に少し痛みが生じます。)
  3. 薬剤投入(主にミダゾラムとプロポフォールを使用します。)
  4. 歯科治療開始(痛みを止めるために局所麻酔を使用することがあります。)
  5. 歯科治療終了
  6. 少しチェアーにて休んでいただき帰宅

まとめ

残念ながら歯科治療では完全に無痛で治療することは困難かと思います。

但し極力痛みを感じなくするように歯科医院ごとに工夫しております。

当院では

1、局所麻酔

2、静脈内鎮静法

などでお痛みをなるべく与えないような歯科治療を行っております。

痛くても歯医者さんが怖くていけないようなことがある患者さんはこの様な治療をしてくれる歯医者さんを調べて通われるのも良いかと思います。

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定期検診(リコール)は大事‼️

今日は歯科医師の小野寺です。

7月に入り夏が近づいて来ているのかとても暑い日々が続いております。

その為に体調管理が難しく歯が痛くなったり、歯がしみたりする事は有りませんか?

久しぶりに定期検診(リコール)に来院されてはいかがでしょうか。

定期検診とは

定期検診とは虫歯や歯周病が無いかを定期的に検査することを指します。

クリーニングとは、歯に付着した歯石やバイオフィルム(プラーク)、着色などを除去し、お口の中を綺麗にすることです。

虫歯や歯周病にかかる前に予防のために定期的に歯医者に通う方が増えています。毎日の自宅での歯みがきに加えて、歯科医院で定期健診(メンテナンス、歯のクリーニング)を年に3~4回受けて頂くと、虫歯や歯周病になるリスクを減らすことが出来ます。

虫歯や歯周病は悪化させてしまうと歯を失うことに繋がります。

そして近年では、歯周病は心臓病や脳卒中などの全身疾患の原因になっているということがわかってきました。そのため歯を失って噛めなくなってしまう前に、なるべく虫歯や歯周病を早期発見して治療し、天然歯を守りましょう。

健康な歯と身体を守るために、毎日のセルフケアだけでなくプロフェッショナルケアを受けましょう。

定期検診で行うこと

1、問診

お口の中で変わった事がないか、痛みや被せ物が取れたなどがないかをお聞きします。

2、口腔内診査

歯の状態の確認、その際に虫歯や詰め物の状態をチェック

3、レントゲン撮影

1)パノラマ撮影

パノラマ撮影は、装置が顔の周りを回りながら撮影を行い、一枚の画像に全ての歯を撮影することができます。

主に歯全体の様子(大きな虫歯や歯周病の変化)や顎の関節、上下顎骨の状態を観る目的で行います。

2)デンタル撮影

デンタル撮影は、口内に撮影用のフィルムを直接入れて、それぞれの歯を撮影するものです。

主に歯と歯の間の虫歯や被せ物や詰め物の下にある虫歯がある時に撮影します。

4、歯周検査

歯と歯ぐきの周りを検査することで、歯肉の炎症や歯石がついている部分、病気の進行度を確認します。

5、口腔内写真

歯の正面・右の側面・左の側面・上の噛み合わせの面・下の噛み合わせの面の合計5枚のカラー写真を撮影します。

お口の中の虫歯や歯周病の箇所のチェックや説明、前回との比較のために撮影を行います。

6、クリーニング

ブラシの当て方や歯間ブラシ、フロス指導を行います。

どうしても自分自身のブラッシングでは取れない歯石を除去した後にエアフローと呼ばれる機械で目に見えないバイオフィルム(プラーク)を除去します。

7、その他

1)虫歯治療

虫歯の箇所があれば治療を行います。小さい虫歯であればその日1日で治療を終了する事ができます。

2)噛み合わせの治療

噛み合わせは日々変化していきます。そのため以前にセットした被せ物が高くなっていた場合噛み合わせの調整を行います。

 

定期検診を行う事のメリット

・むし歯や歯周病などを早期発見する事ができる

お口の病気は早期発見することで、症状の進行を妨ぐことができます。

お痛みが出てから来院されるときは虫歯が大きい可能性が高いです。

また、歯周病は自覚症状がなく進行していくので、気付いた時には重症化しているケースもあります。定期検診(メンテナンス)を行うことで、虫歯や歯周病などで痛い思いをしたり、歯を失ったりするリスクを抑えられます。

・経済的な負担が軽くなる

一度虫歯や歯周病になってしまうと、定期検診(メンテナンス)にかかる費用以上のお金と時間がかかります。

定期検診(メンテナンス)をする事で治療も比較的軽くする事ができるため、長い目で見た時に歯科治療にかかる費用を抑える効果があります。

・健康な歯を長く維持できる

定期検診で歯の状態をチェックし、綺麗な状態にしておく事で1本でも多く、今ある歯を守る事が可能です。

まとめ

定期検診(メンテナンス)を受けることは、今ある歯を一本でも多く守るためにとても大切です。

ご自身の歯磨きで全ての歯の汚れをとることはできません。

お家でのセルフケアと歯医者さんでの定期検診を両立させてお口の健康を保ちましょう。

3,4ヶ月に1回はメンテナンスを受けるべきと言われていますが、患者さまのお口の状態に合わせてメンテナンスの頻度も変わっていきます。

歯医者さんに最近行っていないという方は、この機会にお口の状態を歯医者さんでチェックしに行かれてみてはと思います。

 

 

 

 

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フッ化物配合歯磨剤(歯磨き粉)の利用方法

こんにちは歯科医師の小野寺です。

皆さんはどのような歯磨き粉を使用していますか?

今歯磨き粉は色々な用途の歯磨き粉が存在しています。

例えばホワイトニングのため、知覚過敏のため、フッ素が多いため、味が良いなど様々な歯磨き粉が有ります。

歯医者さんでは主にフッ素が入っている歯磨き粉をよく使用していますが年齢(小児の場合)ごとにどれくらいの量を使用したほうが良いのか、いつごろからフッ素入りの歯磨き粉を使用した方が良いのかなど疑問な点も多いかと思います。

歯磨き粉の役割

  1. フッ素が入っており、再石灰化を促す
  2. ステイン(着色汚れ)を落とす効果
  3. 効率よく歯垢(プラーク)を除去する
  4. 歯垢(プラーク)をつきにくくする
  5. 口臭を除去・防止する

歯磨き粉には歯垢(プラーク)の除去だけでなく、様々な効果があります。

歯磨き粉にフッ素は必要なのか?

フッ素には上記に挙げた再石灰化だけでなく色々な働きで歯を助けています。

1、歯を修復する再石灰化促進

実は、お口の中では食事のたびに脱灰が起こっています。

脱灰とは、虫歯菌が食べかすをエサに作り出す酸によって、歯のカルシウムやリン酸が溶けだすこと。脱灰が進むと穴が開く一歩手前で、歯の組織がスカスカという初期虫歯の状態に。しかし、初期虫歯のうちなら再石灰化のはたらきにより修復が可能です。再石灰化とは、唾液中のカルシウムやリン酸を歯に補給し、修復することです。

つまり歯はいつも「脱灰」によって溶け、再石灰化によって修復されています。

フッ素は、この再石灰化を促進し、初期虫歯を修復するはたらきがあるのです。虫歯予防のためには、再石灰化のはたらきをサポートするフッ素がとても重要と言えます。

2、虫歯への抵抗力を高めて歯質を強化

歯の表面を覆うエナメル質は、ハイドロキシアパタイトという成分でできています。この結晶は虫歯菌が作る酸に弱く、崩れやすいのです。

しかし、フッ素を取り込むことでフルオロアパタイトに入れ替わり、結晶が再構築されます。フルオロアパタイトの結晶は酸に強く、脱灰しにくいのが特徴です。

このことからフッ素は、歯質を強化し、虫歯菌が生み出す酸に負けない歯を作るのに役立ちます。

3、菌の働きを抑える

フッ素のもう1つの効果は、虫歯菌のはたらきを弱めることです。

虫歯菌は酸を作り出す際に酵素の手助けが必要なのですが、フッ素はこの酵素の活動を阻害します。

その結果、虫歯菌の酸を作り出すはたらきが弱まるというわけです。

フッ化物配合歯磨剤の利用方法

う蝕予防のフッ化物応用は 75 年以上の歴史で安全性と有効性が繰り返し確認されており、中でもフッ化物配合歯磨剤は日本で広く普及している。フッ化物応用の研究のアップデートや、市販歯磨剤のフッ化物濃度の変更、国際的な推奨の更新を受け、日本のう蝕予防および治療を専門とする4学会合同で、現在の我が国における推奨されるフッ化物配合歯磨剤の利用方法をまとめられました。

その他のフッ化物の応用

1、フッ化物洗口

4 歳以上から、フッ化物配合洗口液で約 30 秒間ブクブクうがいをする方法です。

保育園・幼稚園で 1 1 回、小・中学校では 1 週間に 1 回の使用がすすめられています。継続して使用することで、むし歯予防効果が高まります。

2、フッ化物歯面塗布

歯科医院などで高濃度のフッ化物を歯に直接塗る方法で、1 歳半頃から行うことができます。毎日のフッ化物配合歯磨剤やフッ化物洗口に組み合わせて年に2~3回行うことで、むし歯予防効果が高まります。

まとめ

フッ素は使用することで虫歯の予防に非常に重要な役割があります。

しかし、フッ化物を使用していればむし歯にならないというわけではありません

あくまで歯垢(プラーク)がむし歯の大きな原因です。

1、プラークを落とすことを意識して、歯磨きをしましょう。
2、間食の回数が多くなると口の中が酸性になる時間が長くなり、脱灰が進行するので注意しましょう。

3、定期的に歯科を受診し、むし歯の早期発見・治療、クリーニングをしましょう。

その上でフッ素入りの歯磨剤やフッ化物洗口液、歯医者さんでの歯面塗布を行うことで虫歯にならない様に歯を強化していきましょう。

 

 

 

 

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冬になると多くなる感染根管治療(再根管治療)とは

こんにちは歯科医師の小野寺です。

突然ですが根管治療(歯の根の治療)を歯医者さんで受けた事がありますか。

何回か治療を受けた事があると思うのですが、治療回数や治療時間がかかったり、何されているのか分からないことが多くないでしょうか。

私も昔治療をした時にそのように思った記憶があります。

歯科治療の中でも根管治療は難しく、その中でも感染根管治療(再根管治療)は痛みや膿が完全に消失する事が難しい治療の一つです。

感染根管治療(再根管治療)とは

感染根管治療とは、過去に抜髄(歯の神経とる処置)などの根管治療を受けた歯の神経のない歯が、再度の虫歯などによって、歯の根の中にまで細菌が侵攻し、根の先に炎症を起こしてしまった状態の歯に対して施す処置のことを言います。

この他、大きな虫歯や打撲などによって、自然に神経が死んでしまった歯に対して行う根管治療も、感染根管治療です。

感染根管治療が必要になる原因

1)感染歯質の取り残し

虫歯が原因で根管治療が必要な場合、虫歯をしっかりと取り切ることが必要です。 取り残したまま根管充填(神経を除去し空洞になった根管内に薬剤を詰めること)を行い治療が一度完了してしまうと、神経を除去した歯(痛みを感じない)に虫歯が広がるため、かなり進行するまで虫歯に気が付きにくくなります。

2)神経の取り残し

根管は、大臼歯なら3本、小臼歯は2本といったように、歯種によって大まかな根管の数は決まっています。神経の取り残しは、枝分かれした側枝と呼ばれる細い根管で発生するケースが多いです。また、加齢など様々な原因で根管が狭くなり器具が入りにくいケースもあります。

3)不十分な仮詰

治療中は、仮のセメントと薬剤で根管を詰めています。仮詰が上手くいかないと、唾液や食渣(食べ物のカスなど)が流入し、せっかく消毒した根管が汚染されてしまいます。

4)穿孔(せんこう)

根管を形態通りに拡大できなかった時に起こる可能性があります。歯根に治療用器具で穴が空いてしまうことです。

感染根管治療の成功とは

先生一人一人により違うかもしれませんが、根管治療の成功とは、根の先に炎症が生じないように予防すること、もしくは根の先に炎症が生じてしまった場合にそれを治癒させることです。  

具体的に言うと

1)レントゲン写真やCT撮影上で膿が消失しているか、減少傾向にある事が確認できる。

2)歯茎を押しての痛みや歯を叩いても痛みがない。

3)日常生活に支障がない。

などが挙げられます。

感染根管治療の成功率は

初回の根管治療(抜髄処置)では90%以上、根尖病変のある場合では約80%、再治療の場合では約70%とのことです。

再治療で根尖病変が5mm以上の大きさの場合、成功率は38%まで下がるとの論文報告があります。ただ、検査結果から成功率が38%の歯なので抜歯しましょうという判断にはなりません。

残せる可能性が少しでもあるのならば、治療を行うことを選択肢に入れ、患者様と治療方針を決めていきます。

当院でも膿が中々消失しないですがお痛みがない場合、歯を叩くと違和感が残っている場合でも保存するケースが多くあります。

あまり日常生活に支障がなければ抜歯せずに保存しております。

まとめ

感染根管治療は歯科治療の中でもとても難しく、また完治をしにくい治療の一つです。

治療回数も時間もかかってしまいますが頑張って通院していただければ日常生活に支障がない状態まではほとんどのケースで治療できるかと思います。

 

 

 

 

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10月8日は奥歯の日ー奥歯があることの重要性ー

こんにちは歯科医師の小野寺です。

急に気温が下がり寒くなってきましたね。

寒暖差などで体調崩されたりはしていないでしょうか。

さて10月8日は奥歯の日ですがご存知でしたでしょうか。私も調べるまで知りませんでした。

「奥歯の日」は、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社が10月のOctoberでオク=奥、8日でハ(歯)の語呂合わせと、食欲の秋に健康な奥歯で食事を楽しんでもらいたいとの願いをこめて制定されました。

それだけ食事を行うのに奥歯で噛むという事が重要だと認識されているのだと思います。

奥歯とはどの歯?

奥歯(臼歯)とは、犬歯(前から3番目)から後ろの噛む面のある歯のことを言います。

奥歯(臼歯)は小臼歯(前から4番目、5番目)2本と大臼歯(前から6番目、7番目)2本上下左右合わせると16本あります。

それに加えて奥歯(臼歯)のさらに後ろに親知らずが生えている人と生えていない人がいます。

そのため親知らずがしっかり生えている場合は奥歯が20本になります。

奥歯の働き

1、噛むのに重要

奥歯の食事のときの役割は、食物を噛み砕いたり、前歯で噛み切ったものをすり潰したりして、内臓での消化・吸収をしやすくすることです。

ものを噛むとき、奥歯には自分の体重とほぼ同じくらいの力がかかります。奥歯を1本失うと、ものを噛む力は40%近くも低下するといわれています。

2、噛み合わせ、歯並び

かみ合わせにおいても重要な役割があります。

小臼歯は、かみ合わせで下あごが必要以上に奥に行かないようにストッパーの形が刻まれていて、あごの位置を決める役割を担っています。

また第一大臼歯は、奥歯をしっかりと噛みしめたとき、かみ合う高さを決める役割を持っています。

正しい歯並びは奥歯が基準となっています。失った奥歯をそのままにしておくと噛みあわせが悪くなり、やがて歯並びや顔の輪郭形成にも影響が出てきます。

3、発音

どの歯にも言えることですが、歯が欠落しているとそこから空気が漏れて聞き取りにくい発音になります。奥歯は特に、「ハ行」や「ラ行」の発音を助けます。

4、身体のバランス

重たいものを持つときやスポーツをするとき、奥歯で食いしばることがあると思います。奥歯で食いしばることで体の体幹を固定し、瞬発力を得ているのです。奥歯でしっかり噛めるということは高齢者の転倒事故の予防のためにも大切だと言われています。

奥歯は色々な働きに関与しており、出来れば早期に無くなってしまうと大変になってしまいます。

奥歯が無くなってしまうとどうすれば良いの?

1、ブリッジ

ブリッジとは何らかの理由で欠損した所を両隣の歯を支持として使い、欠損した所を補う治療です。

メリット

  • 取り外しがないため、違和感が少なく、 治療自体はシンプルである事です。
  • 入れ歯に比べるとよく噛めます。ブリッジは保険治療でも自費治療でも作製することが出来ます。そのため、保険適応であれば費用を押さえることが出来ます。
  • 入れ歯に比べてよく噛む事ができます。

デメリット

  • 歯は削る必要がある事と両隣の歯に負担がかかる事です。そのため両隣の歯にかかるダメージが大きくなります。

2、入れ歯

入れ歯とは、失った歯を補うための人工歯のことです。

入れ歯には大きく分けて総入れ歯と部分入れ歯の2種類があります。

メリット

  • 入れ歯治療はインプラントと違い外科手術の必要がないため、身体に他の疾患をお持ちの方や高齢者の方など、ほとんどの患者様でも治療を行うことができます。
  • 入れ歯は保険治療でも自費治療でも作製することが出来ます。そのため、保険適応であれば費用を押さえることが出来ます。
  • 歯周病など他の治療の必要がなければ、入れ歯の平均的な治療期間は約1ヶ月ほどです。インプラント治療(4〜5ヶ月)と比較すると治療期間や通院回数が少なくすみます。

デメリット

  • 噛む力が弱いため硬いものが食べにくい事があります。
  • 保険適応の部分入れ歯にはクラスプと呼ばれる金属のバネを残っている歯に引っ掛けて使用します。そのため部位によってはバネが目立つ事があります。

入れ歯は合わなくなってきたり、バネが緩んでくると外れやすくなったり、違和感が出てくる事があります。

3、インプラント

インプラントとは、本来は体内に埋め込む人工物を指します。そのため、整形外科の骨折治療で用いられるボルトなどもインプラントです。
インプラントのことを、歯科インプラント・デンタルインプラントなどと呼ぶこともありますが、近年は歯科診療におけるインプラント治療が一般的となり、単に「インプラント」と呼ばれることが多くなっています。

メリット

  • 顎の骨にインプラントを埋め込むため、他の健康な歯を削らないで治療が行えます。
  • インプラントは自分の歯と殆ど同じように噛む事ができ、噛み心地が良いです。
  • セメントで接着するか、スクリューと呼ばれるネジで固定するため、ご本人が取り外す必要はありません。

デメリット

  • インプラント治療は基本的に保険が適用されない自由診療なので、治療費用を歯科医院が自由に決められます。ブリッジや入れ歯は保険が適用されて約2〜3万円で治療ができるので、インプラントの治療費が高いことは大きなデメリットとなります。
  • インプラントはあごの骨にインプラント体を埋め込んで、骨に定着するまで経過を見る必要があります。定着して治療が終わるまでには、およそ3〜6ヶ月もの期間が必要です。
  • インプラントは他の治療とは異なり、あごの骨にインプラントを埋入するもの。麻酔を行うので基本的に痛みはありませんが、体への負担は大きく、外科処置に伴う合併症や感染症が懸念されます。

まとめ

奥歯は人が生きていく上で食事以外にも発音や歯並び身体のバランスに影響しています。

そのため1本でも無くなってしまうと今まで出来ていた食事や運動が困難になってしまう可能性があります。

インプラントやブリッジ、入れ歯で代替え治療は可能なのですがご自身の歯と同じように機能を発揮は期待できないかと思います。

そのため1日でも1年でも長く奥歯を抜くような状態にならずに保存しておく事が長生きし、何でも噛める、動ける人生を送るためには重要になります。

 

 

 

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前歯のすきっ歯を治療するにはどんな方法があるのか。

こんにちは歯科医師の小野寺です。

昔に比べて前歯の歯と歯の間が空いてくるなと思うことありませんか?

昔はそんなに空いていなかったのに何故だろう??と思われる事があるかもしれません。

前歯が空いてくる原因は

1.歯周病により歯茎が下がってしますう。

歯周病は、歯の根を支える顎の骨を溶かしてしまう病気です。

顎の骨が溶けることにより、歯茎も下がるために歯が大きく露出し、結果として歯と歯の間に隙間が生じます。

2.奥歯の喪失

歯は、常に上と下の歯では噛み合い、横の歯同士では互いに押し合いながら現在の位置をキープしています。

そのため、虫歯や歯周病などで奥歯を失った場合、手前の歯が奥へと動くことがあります。次々と歯が後方へ移動していくと、いずれ前歯の隙間も広くなってしまいます。

また、上下で噛み合っている歯の一方を喪失すると上の歯は下に下がっていきますし、下の歯は上に上がってきます。

3.親知らずの影響

スペースが不足しているところへ親知らずが生えてしまった場合、そのしわ寄せで前歯に隙間が生じることがあります。

4.歯ぎしり

歯ぎしりは、歯のすり減りを進めるだけでなく、歯を動かしてしまうことがあります。
すきっ歯だけでなく、ガタガタになるなど、さまざまな歯並びの乱れを引き起こす原因になります。

5.舌癖

子供に多いですが、意識せずに舌で歯を押す癖のある方がいらっしゃいます。

内側から継続的に力が加わることで、前歯が前方に傾き隙間が生じます。
この癖は、舌のトレーニングなどで改善が可能です。

 

前歯がすきっ歯になることの影響

  1. 審美的に気になる
  2. 声を出すときに空気が漏れてしまい上手く発音出来ない
  3. 噛み合わせがズレてくることで上手く噛めない
  4. 歯並びが悪くなる

治療法

1、コンポジットレジン修復法(保険診療)

コンポジットレジン修復法とは、虫歯などで削った部位に際して、コンポジットレジン(プラスチックの樹脂)を充填するもので、 材料強度やその接着システムの進化により現在広く臨床応用がされています。

30分から1時間程度で処置を終えることができます。

歯と歯の間のスペースが大きくなければこの治療法で行う事が可能です。

2、ダイレクトポンディング法(自費診療)

ダイレクトポンディング法はコンポジットレジン修復法と方法は同じで、歯科用の白いコンポジットレジンを歯の表面に貼り付け形を整える方法です。

30分から1時間程度で処置を終えることができます。

保険診療のコンポジットレジンの違いは

コンポジットレジンに、細かいセラミックの粒子を混ぜたのがダイレクトボンディングで使用されるハイブリッドセラミックと呼ばれる材料です。

セラミックを混ぜ合わせることによって、研磨すると光沢を出し、天然の歯のような艶を実現できます。

また、数種類のレジンを合わせて、患者様の歯と合う色を作ることができます。

強度があり、歯の形の修復もできるため審美的にも美しく治療が行えるのが、保険適用のコンポジットレジンとの違いになります。

3.ラミネートベニア修復法(自費診療)

ラミネートベニアとは、歯の表面をごくわずかだけ削って、歯の色をした薄い板を貼り付けて見かけを改善する方法です。

イメージとしては歯を少し削り、指であればつけ爪(セラミック)をつけるような感じで歯の表面につけるような感じになります。

特徴としては以前は大きく歯を削り、クラウンを呼ばれる被せ物で対応していましたが、その治療法に比べて歯を削る量が少ないです。

また以前は取れやすいイメージがありましたが、近年接着力の高いセメントにより取れにくくなっております。

4.オールセラミッククラウン修復法(自費診療)

前歯を被せ物にすることにより歯と歯の間を埋める事ができます。

被せ物を行いますので審美的に綺麗な被せ物(隣の歯に近い)を作る事が出来ます。

デメリットとして、生きている歯の場合には大きく歯を削ることになりますので治療後に痛みや冷水痛が起こる事があります。

5.矯正治療(自費診療)

矯正治療によって前歯の隙間を改善することも可能です。

前歯の隙間だけ気になる、前歯の1~2本の並びの乱れが気になる、という方は、治療期間・費用を抑えられる部分矯正(マウスピース矯正)でも対応が可能です。

まとめ

前歯のすきっ歯は見た目の問題以外にも、発音や咬み合わせのトラブル、さらなる歯列の乱れを引き起こすことがあります。

また、食べかすが残りやすくなると、虫歯・歯周病のリスクが上昇します。
すきっ歯は、審美面・健康面のどちらから見てもデメリットがありますので、治療を受けられることをおすすめします。

治療法に関しては歯科医院へ通院し、先生と治療方法、治療期間、費用をよく聞いて始めていければ良いかと思います。

 

 

 

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歯医者さんが怖くて通えない患者さんには静脈内鎮静法で歯科治療を

こんにちは歯科医師の小野寺です。

歯医者って何をしているか分からないので怖いなと子供の頃思った事があります。

今はなるべく患者さんの歯の状態を伝えておりますが、患者さん自身は自分の歯の状態がよく分からないままお口の中でドリルを使い、歯を削っているのかと思うと怖い事をしているなと治療をしていてふと思う事があります。

患者さんの中にも歯医者さんが恐くて中々通院できない方、通院まで頑張って行ってみたが怖かったり、痛みがあり、また通えなくなってしまう方が多くいらっしゃいます。

こういった症状が歯科恐怖症です。

歯科に恐怖心があると中々通院する事が難しくなってしまいますので、なるべく負担やストレスを感じない様に治療を行う事が重要になってきます。

その1つの方法として静脈内鎮静法があります。

歯科恐怖症とは

歯科恐怖症とは、恐怖心が強くなり、歯を削るドリルの音で身体が動けなくなる、診療台に座れないなどの症状があらわれる状態をいいます。

歯科恐怖症発症の原因は?

  • 幼少期のトラウマ的な痛みの強い治療や抑えつけられての治療
  • 乳歯の抜歯
  • 局所麻酔で気分が悪くなった
  • 抜歯後に続いた痛み
  • ドリルの音が怖かった

主に過去の歯科治療を要因として発症します。

発症時期は幼少期に多いとされており、この時期の歯科治療経験はその後の歯科治療に対する不安や恐怖に大きく関与しているとされています。

幼少期の歯科治療の恐怖や不安が成人になってからの歯科治療で発症することも多々あります。

歯科に恐怖心がある人はどれぐらいいるの?

これまでに行われてきた疫学調査によれば、成人の3~7%が歯科治療に対して非常に強い恐怖を抱いている事が報告されており、多くの成人が歯科に対して何かしらの恐怖心を抱いている事が分かります。

また、歯科治療に対する怖さは歯科への通院を回避させ、その結果お口の中の状態を悪化してしまう事が報告されています。

歯科恐怖症患者さんの歯科治療

1、説明、カウンセリング

処置前、処置後に治療の説明を行います、痛みが出そうな場合には局所麻酔を行います。

症状に応じて、少しずつ治療に慣れていただきます。

最初は何も治療をせず、カウンセリングのみで終了となることもありますし、患者さんの状態により治療を行うこともあります。

2、静脈内鎮静法

歯科治療を問題なく受診できる人が多いものの、治療に対する恐怖心が極めて強いときは、点滴を使用して眠った状態で治療を受ける方法(静脈内鎮静法)で歯科治療を行います。

静脈内鎮静法とは

血圧計や呼吸を観察しながら点滴をとって、鎮静薬を入れていきます。

すこしずつ眠くなっていきますが、全身麻酔のように意識がなくなることはありません。意思表示や会話をすることも可能です。感じ方は人それぞれですが、お酒を飲んでほろ酔い加減のような、うたた寝をしているよう感覚です。

静脈内鎮静法の適応は?

  • 歯科治療に対する不安や恐怖心が強い方
  • 嘔吐反射(異常絞扼反射)があって歯科治療が難しい方
  • 全身疾患(高血圧症、心疾患等)があり、歯科治療によるストレスを和らげないといけない方

静脈内鎮静法の適応外は?

  • 歯科治療より優先して加療が必要な全身疾患があると判断した場合
  • 口が開かない、顎が小さい、太りすぎている等で呼吸の管理が難しいと判断された場合
  • 妊娠中の方
  • 使用薬剤に対してアレルギーや禁忌症をお持ちの方
  • 虫歯が多くあり、全身麻酔で行う方が歯科治療にかかるストレスが少ないと判断した場合

静脈内鎮静法の使用薬剤は?

それぞれの歯科医院で使用する薬剤に違いはあると思います。当院で使用している薬剤を説明します。

1、ミダゾラム

ミダゾラムはベンゾジアゼピン 系の麻酔導入薬・鎮静薬の一つで脳内のベンゾジアゼピン受容体にはたらき、神経細胞の興奮を抑える作用を示します。
通常、麻酔前投薬、全身麻酔の導入および維持、集中治療における人工呼吸中の鎮静、歯科・口腔外科領域における手術および処置時の鎮静に用いられます。

2、プロポフォール

プロポフォールは手術時の全身麻酔や術後管理時の鎮静に使われる。

効果が出るのが速く、投与をやめるとすぐに目が覚める特長があるとされる。

主に2つの薬剤を使用し、患者さんの全身状態をモニター監視しながら歯科治療を行なっております。

まとめ

歯科治療はどうしても患者さんの見えない部位を治療するため恐怖心や不安が多くなる医療の1つかと思います。

そのためしっかりとした説明を行い、局所麻酔を行い確実に痛みを取ってあげる事でストレスに少ない治療が行う事が出来、結果として恐怖心が軽減されるかと思います。

それでも恐怖心が強く、歯科医院への通院が困難な場合には静脈内鎮静法や全身麻酔を行える医療機関を調べて受診し、歯科治療を受けてみるのも良いのではないかと思います。

 

 

 

 

 

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