こんにちは歯科医師の小野寺です。
突然ですが日本は高齢化社会になっている実感はありますでしょうか?私はまだ漠然としていますが患者さんでもご高齢になり歩いての来院などが難しいなどのお声をよく聞く事が多くなったなと思います。
実際にはもうすでに日本は高齢化社会に突入していて、日本の人口の20%になり更に増えております。そんな世の中でお口の中は食べることだけではなく、生命や社会的生活を営むために根本的な役割を持っています。
そのため日本歯科医師会は、患者さんがいかなる状況や環境下におかれても、歯科医療を受けられるように都道府県・郡市区歯科医師会とともに在宅歯科医療のシステムを構築してまいりました。超高齢社会を迎え、ますます歯科訪問診療が必要とされる時代を迎えたといえます。
皆さんは歯科医師が行なっている訪問診療をご存知でしょうか。
歯科訪問診療とは
歯科訪問診療はその言葉のごとく何らかの身体的、精神的理由で歯科診療所に通院できない方に対し、歯科医師、歯科衛生士が自宅や介護施設、病院等に訪問し、歯科診療や専門的口腔ケアを行う制度です。
どのような方が対象になりますか?
在宅等で療養を行っており、疾病、傷病のために通院による歯科診療が困難な方が対象になります。なお、内科等の他科に通院している方は対象から除かれることがあります。
江戸川区近郊の方が対象ですか?
医院から半径16kmの範囲内が訪問診療可能地域になります。
歯科訪問診療は何を行うのか?
主に3つの事を重点に行なっていきます。
- 歯科診療
- お口のケア
- リハビリテーション
1.歯科診療
歯科診療では本来歯科医院へ来てもらい受けるような事も訪問し行えるようになって来ました。
具体的には
- 虫歯治療
- 入れ歯の調整
- 抜歯
などを行うことが出来ます。
当院では全身疾患のある患者さんの治療にも対応できる様に生体監視モニターを使用し、血圧、心拍数、心電図、動脈血酸素飽和度を確認しながら安全に診療を行うことが出来ます。
2.お口のケア
高齢者の方々の中には、歯科医院に通院したくてもそれが叶わない方がたくさんいらっしゃいます。
「おいしい食事」も「楽しい会話」も、お口の健康があってこそ実現するものです。
お口の健康は、身体の健康だけでなく心にも影響することもあります。
また、肺炎の中でも最も多い誤嚥性肺炎は、口腔ケアを行うことによって、かなりの確率で予防できることがわかってきています。
具体的なメリット(リハビリテーションとも重複します。)
- 口の中を清潔に保って細菌の増殖を防ぐ
- 体力や体の免疫強化
- 唇やの頬、舌の動きをよくする
- 会話などのコミニュケーションを良くする
- 唾液の分泌を促し、口の中の乾燥を防ぐ
- 誤嚥性肺炎など、全身的な感染症を防ぐ
- 味覚を保ち、食欲を増進させる
- 認知症予防
その為にも定期的なメインテナンスはとても重要になります。
3. リハビリテーション(接触、嚥下)
食べ物を咬み、飲み込んで胃腸へ送り込むことをいう摂食嚥下と言います。
これがうまく働かなくなる状態を摂食嚥下障害といいます。
その特徴には、食事の際に口が大きく開けられない、むせる、咳込む、うまく飲み込めない、食後に声がかれるといった状態が挙げられます。
加齢変化で食事をするとむせてしまうのはこの状態です。
摂食嚥下障害は身体の脱水症状や栄養不足を招き、さらには窒息や誤嚥性(ごえんせい)肺炎を引き起こすことにもなりかねません。
放置せず、きちんと治療することが大切です。
接触、嚥下トレーニング
- 唇や舌を動かすなど、お口まわりの筋肉のトレーニング
- 発声・呼吸などの機能維持および改善
- だ液腺のマッサージ
- リラクゼーション
まとめ
お口の中を虫歯が無く、汚れもない状態にしておくことはQOL(生活の質)の向上にとても大切なことです。また、人間の機能はどうしても年々落ちていきますがそれを少しでも遅らせることでお口の中の噛む、飲み込むなどの機能を維持していくことも大切です。
その為には歯科医院へは遠くて行けずに足が遠のいてしまっている方やどうして良いかわからない方は1度訪問のご相談いただければと思います。