今日は歯科医師の小野寺です。
突然ですが歯科治療でCR(コンポジットレジン)修復と呼ばれる治療をされた事がありますか?
1度は治療を経験された事がある患者さんが多いのではないかと思います。
その際に治療した部位と周りの歯の色が上手く合わなかったりした事が有りませんか?
CR(コンポジットレジン)修復とは
「コンポジットレジン(CR)」は、現在虫歯治療などで広く普及している、樹脂製の白い修復用素材です。以前は金属を詰めて治していた虫歯も、近年はコンポジットレジン充填により、短時間で白い色に修復する治療が一般的になりました。このコンポジットレジン素材を使って、虫歯治療以外にも、歯の形を修復したり、歯のない部分を補ったりする治療が「CR接着修復法」です。
以前は銀の詰め物(インレー) 現在はコンポジットレジン修復
CR(コンポジットレジン)修復のメリット
- 短期間で治療が可能です。(通常、即日~数回、約一か月の治療で終了します)
- 銀の詰め物やかぶせ物による治療では健康な歯を削る必要がありますが、CR接着修復法では歯をほとんど削らずに治療できます。
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変色した歯も歯をほとんど削らずに、CRで表面をコーティングすることで白くできます。
CR(コンポジットレジン)修復のデメリット
- すべての歯の欠損症例に適用できるわけではありません。
コンポジットレジンは歯の表面(エナメル質)部分には強く接着しますが、内部(象牙質)への接着耐久性はエナメル質よりはるかに低くなるため、適用できない場合があります。そのため大きな虫歯には適応ではありません。 - 接着修復した部分が、長く使用する間にとれてしまったり、1部分が剥がれてきてしまう事があります。
- 完全に色(シェード)をご自身の歯の色と一致させる事が難しい事があります。
新しいコンポジットレジン(色合わせが必要のない)
上記に書いたように人の歯は1人1人色が少しづつ違います。そのため従来のコンポジットレジンでは上手く色が合わなかったりする事がありました。
しかし、先月色合わせが必要ないコンポジットレジン「オムニクロマ」が発売されました。「オムニクロマ」は、シェードがありません。つまり充填するシェードを選択する必要がありません。オムニクロマ自体が、幅広い歯質の色調に同化します。
特徴としてコンポジットレジンで初めて構造色を使用し幅広い色調適合性を実現しました。
構造色とは光の波長あるいはそれ以下の微細構造による分光に由来する発色現象を指す。身近な構造色にはコンパクトディスクやシャボン玉などが挙げられます。コンパクトディスクやシャボンには、それ自身には色がついていないが、その微細な構造によって光が干渉するため、色づいて見える。構造色の特徴として、見る角度に応じて、様々な色彩が見られます。
そのため色々な歯の色にも対応できます。
CR修復前 オムニクロマでCR修復後
当院でもCR修復を行いましたが非常に色調再現度が高く、キレイに治す事ができました。
まだ、発売された場合の商品のため色が上手く出せるかはっきりとは分かりませんがホワイトニングされ、白くなった歯などにも適応が可能かどうか行っていきたいと思います。
そうする事で
1、患者さんが治療しても色が違うなどの悩みを解消できるかもしれない。
2、歯医者側でも色で悩む事がなくなるため治療時間の短縮が見込める
素晴らしい可能性を秘めたコンポジットレジンです。
当院はCR修復を保険適応で行なっています。
治療をしたが色が合わなくて気になっている歯や銀歯を白くしたい歯がある場合には是非ともご相談ください。