今日は歯科医師の小野寺です。
患者さんにとって歯科治療が怖い要因の1つに局所麻酔が挙げられると思います。
どうしても歯肉に針を刺すため痛みを伴うことがあります。
各歯科医院ではどうにか痛みを減らすために色々な工夫をしながら局所麻酔を行なっています。
局所麻酔とは
局所麻酔はその名の通り局所に麻酔薬を作用させて一時的に痛みなどの感覚を消失させる方法です。
歯科治療が好きな方は多くはありませんが、理由の多くは治療が痛いからです。
ですから局所麻酔は歯科治療に必要不可欠な麻酔法といえます。
局所麻酔の種類
1,表面麻酔法
麻酔薬を歯肉に塗って表面の感覚を麻痺させる方法です。歯自体を麻酔するためには浸潤麻酔や伝達麻酔といった注射がどうしても必要ですが、表面麻酔を行った後で注射をすると痛みを和らげることが出来ます。
実際には口の中にガーゼやコットンロールを入れて、歯肉に塗った麻酔薬が流れないように唾液をブロックし、数分間作用させます。
2,浸潤麻酔法
痛みをとりたい部分の歯肉に麻酔薬を注射する、いわゆる歯科で行われる麻酔です。
患者さんの中にも浸潤麻酔を経験された方がいらっしゃると思います。
浸潤麻酔は、治療をする場所の近くに麻酔薬を注入し、歯を支える骨に染み込ませ、神経に薬を効かせます。
奥歯(特に下顎)や麻酔が効きにくい場合(炎症が強く患者さんの痛みが強い)は何本か注射する場合もあります。
3,伝達麻酔法
伝達麻酔は、枝分かれした小さな神経に効かせる局所的な麻酔ではなく、口の奥の方を通る三叉神経の支流の太い神経の手元の近くに麻酔注射を打つというものです。
この太い神経から枝分かれしている細かい神経の末端まで広範囲に効きます。
この麻酔は2時間ほどしっかり効果が続くので、親知らずの抜歯に使用することがあります。
また、一度に広範囲の処置をする場合や、浸潤麻酔では効かない場合も使用します。
当院での局所麻酔方法(浸潤麻酔法の場合)
- 表面麻酔
- 局所麻酔(1~2秒)
- 2~5分待つ
- 局所麻酔
- 2~5分待つ
- 治療開始
浸潤麻酔法は上記に記したように骨に浸潤させて徐々に、麻酔を効かせていきます。
そのため麻酔が効くためには時間がかかります。
新しい電動麻酔デンタペン
当院では局所麻酔を行うために電動麻酔を使用しております。
局所麻酔は麻酔液をゆっくり一定スピードで注入することで、痛みを和らげることができます。手動では難しいその調整ですが、この電動麻酔注射器を使用すればその緻密なコントロールが可能となり、麻酔注射時の痛みを大幅に軽減することができます。
つい先日当院では新しい電動麻酔デンタペン(日本歯科薬品)を導入いたしました。
デンタペンの特徴
・小さくて軽い
従来の電動麻酔に比べて小さく、重さも40gととても軽いです。
・選べる3つの注入モード
局所麻酔の状況によりスピードを徐々に速めたり、一定にしたりと変えることが出来ます。
※日本歯科薬品デンタペン パンフレット参照
・ワンクリックで注入開始
※日本歯科薬品デンタペン パンフレット参照
小さくて軽いため女性や手の小さい先生でも持ちやすく、局所麻酔は最初が痛みが強く出るため、最初速度がゆっくりで徐々に速くなっていくシステムが素晴らしいと思います。
まとめ
局所麻酔は歯科治療では不可欠ですが患者さんが苦痛に感じる行為の1つです。
デンタペンは術者側にも患者さん側にも優しく、使いやすく、なるべく痛みが伴わないような電動麻酔になります。
そうすることで安心して局所麻酔、歯科治療を行えるようになれば良いかと思います。