日本は今現在、超高齢化社会に突入にしています。(65歳以上の人口が全人口に対して21%を越える)
さらに今後も高齢者率は増加していくと予測されています。
そのため高血圧症や糖尿病などのいわゆる生活習慣病を持病とする患者さんの受診も増えています。
歯科における口腔ケアも年々注目されており、お口の中をキレイにすることでQOL(生活の質)の向上を図り全身状態を管理しています。
口腔ケアの目的
1、虫歯と歯周病の予防
歯を失う原因の約70%は虫歯と歯周病によるものです。どちらも口腔内の細菌が原因となるので口腔ケアで口腔内の環境を清潔に保つことが大切です。
また、歯周病菌の影響で糖尿病や誤嚥性肺炎等の全身疾患にも影響が出るとこがあります。
2、味覚の改善
舌の表面には味蕾(みらい)と呼ばれる味覚を感じる器官があります。
舌苔(ぜったい)と呼ばれる舌についた汚れにより味蕾が味を感じにくくなってしまいます。
そのため口腔ケアで舌苔を取り除くことが味覚の改善になります。
また、カンジダ症等の口腔乾燥でも味覚を感じなくなることがありますので唾液が出るように促す体操を指導しています。
3、誤嚥性肺炎の予防
高齢者になるにつれて肺炎の罹患率が高くなっていきます。
その中でも誤嚥性肺炎は加齢による嚥下機能の低下や脳血管疾患の後遺症などのため食物や唾液等を口腔内の細菌と一緒に誤嚥することで発症します。
誤嚥性肺炎にならないために口腔内は清潔にしておくことが一番大切です。
4、口腔機能の維持・回復に繋がる
お口の中には上記に挙げた味覚以外にも食べるための咀嚼、摂食・嚥下や話すための発音・発声といった重要な機能を有しています。
これらの機能が低下するとQOLの低下を招く可能性が高くなります。
そのために口腔ケアと摂食嚥下訓練や筋機能訓練を行うことが口腔機能の維持に必要です。