今日は歯科医師の小野寺です。
冬になると歯が痛くなり、噛むと痛い、目の下や鼻の横が痛いなどの症状が起こる場合があります。
歯医者さんで診断してもらっても歯は問題なかったりすることがあります。
その症状の場合もしかすると副鼻腔炎かもしれません。
副鼻腔とは
鼻の穴のことを鼻腔といいます。
私たちの顔の骨の中には、鼻腔につながる形で、副鼻腔という4対(計8つ)の空洞があります。
鼻のすぐ横の上顎洞(じょうがくどう)、目の間あたりの篩骨洞(しこつどう)、その奥にある蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)、おでこの辺りにある前頭洞(ぜんとうどう)です。
鼻腔や副鼻腔の粘膜は繊毛で覆われていて、外から入ってきたホコリやウイルスなどの異物を鼻水とともに排出する働きをしていますが、副鼻腔炎による炎症で鼻水がドロドロになると、繊毛に鼻水が絡まり、この働きが低下してしまいます。
また、副鼻腔の入口は小さいため、こうした鼻水によってふさがってしまうと、中の炎症もどんどん進み、膿がたまってきます。
そのため蓄膿症と呼ばれるようになったのですが、膿はなく、粘膜が腫れているだけの場合もあります。 副鼻腔は頬や目、おでこの辺りにまで広がっていることがわかりますね。そのため、副鼻腔炎にかかると、頬や目の奥が痛んだり、頭痛が起こったりすることもあります。
※あなたのかかりつけ健康サイトサワイ健康推進課HP引用
歯科で副鼻腔炎になると上顎の奥歯から感染が起こり、上顎洞に腫れが起こります。
副鼻腔炎(蓄膿症)とは
顔の周りには副鼻腔といわれる空洞があります。
通常、副鼻腔は鼻腔(鼻の穴の奥)へと出口があり、副鼻腔の中は空気が入っています。 この副鼻腔に膿がたまったり、ポリープができる状態を副鼻腔炎といいます。
風邪症状などに伴って一時的に起こることを急性副鼻腔炎とよび、症状が長引いたものを慢性副鼻腔炎といいます。
慢性副鼻腔炎の原因としては、大きくわけて感染によるものとアレルギーによるものに分けられます。
特に細菌の感染により膿が長くたまった状態になることが蓄膿症といわれております。
副鼻腔炎の原因
副鼻腔炎の原因については歯からと鼻からの2つがあります。
歯性
歯が原因の場合上顎洞に炎症が起こるため上顎洞炎という病名になります。
歯が原因の蓄膿症です。
根尖性歯周炎(歯の根の治療している部位が膿んでくる)、歯周病などが上顎洞に波及した疾患です。
最近では歯科インプラント治療後の上顎洞炎が急増しています。
ひどくなると上顎洞炎だけではなく、篩骨洞、前頭洞にまで炎症が波及します。
鼻性
副鼻腔炎(蓄膿症)は、風邪のウイルスや細菌、アレルギーなどにより、副鼻腔の粘膜に炎症が起こることで発症します。
風邪(ウイルスや細菌感染)やアレルギーなどがきっかけで鼻の中で炎症が起きると、鼻の粘膜が腫れたり、ドロドロした鼻水が出てきたりします。
この腫れや鼻水によって、副鼻腔と鼻の間にある通り道(自然口)がふさがると、副鼻腔から分泌物や異物を排泄できなくなり、鼻水や膿がたまってしまいます。
こうして起こるのが副鼻腔炎(蓄膿症)です。
副鼻腔炎の症状
1. 鼻水
2. 鼻づまり
3. 頭痛、顔面痛
4. ほおの圧迫感や違和感
5. 鼻の中に悪臭を感じる
6. 匂いがわかりずらい(嗅覚低下)
7. 鼻水がのどに落ちる(後鼻漏)
8. 歯痛
副鼻腔炎の診断
診断はX線撮影またはCT撮影で行います。
X線で診断可能な場合も多いですが、X線のみでは、はっきりしなく詳しく診査するためには、CTを撮影します。
歯科では歯性由来の上顎洞炎なので、原因は歯の根尖病巣、辺縁性歯周炎であり、大きな病巣はもちろんのこと小さな病巣でも感染源になりえます。
歯性上顎洞炎の場合、原因歯の特定が重要となります。
この特定にはCTがとても有効です。
※松本歯科大学病院HP引用
副鼻腔炎の治療
最近の上顎洞炎はすぐ手術はせず、抗菌剤の服用で保存的に治療するのが一般的です。
しかし、歯性上顎洞炎は歯の治療が最優先されます。
虫歯や、感染した歯髄の根管処置をして感染源の治療をします。
もし歯を残せそうもなければ抜歯しなければなりません。
まとめ
副鼻腔炎(歯性の場合は上顎洞炎)の急性期は歯科の中で1番痛かったり、腫れる事がある病気です。
この寒くなった時期に突然歯がとても痛くなった、目の下まで痛い、鼻の横が痛いなどがあれば早めに歯科か耳鼻科へ行き、診断、治療を受けることをお勧め致します。