今日は歯科医師の小野寺です。
4月より新年度を迎えまして新しい職場や新しい学校になり期待に胸を膨らませる一方、すぐに馴染めるかなどの不安などもあると思います。
新生活を送る上で皆様はどのような準備をするでしょうか?
身だしなみとしては髪を切ったり、髪の色を変えてみたり、新しい服を買ったりなどがあるのではないかと思います。
歯医者さんであれば入社や入学前に歯のクリーニングを行ったり、ホワイトニングしたりする事で歯を綺麗にする事を考えるのではないかと思います。
その一つに銀歯や銀の被せ物を白く変える事でお口の中を白くする事で、今のコロナ禍では難しいですがお口を大きく開けて笑ったり、会話をする際に綺麗な白い歯を印象付ける事が出来ます。
新年度だからこの話をしているのかと思われているかと思いますが歯科の中でも4月は保険制度の改定があります。
今年度よりインレー(銀歯)を条件付きで白い(CADCAM)インレーに変える事ができるようになりました。
インレーとは
インレーとは、小さい虫歯の場合に虫歯の部分を除去し、その部分に詰める人工の詰め物を言います。
今まで保険診療では奥歯の詰め物として使用される場合には銀色の金属の詰め物を使用しておりました。
新しく保険で認められた白いインレー(CADCAMインレー)とは
以前ブログで書きましたが、CADCAMクラウン(白い被せ物)を詰め物にも認められるようになりました。
CADCAMとは、歯の模型をスキャンしたデータをコンピュータに入力し、ハイブリッドセラミックという材料の歯の色に似せたブロックを、機械によって歯の形に削り出したものです。
材質としましてはセラミックとプラスチックを半々にした材料になります。
白いインレー(CADCAMインレー)どの歯にも適応出来るのか?
CADCAMインレーは、小臼歯(前から4、5番目の歯-緑色)と条件付きで第一大臼歯(前から6番目の歯-青色)が保険適応です。
そのため前から7番目(第2大臼歯)や8番目の歯(第3大臼歯、親知らず)には適応になりませんので注意が必要です。
白いインレー(CADCAMインレー)はどの歯医者さんでも出来るの?
CADCAMクラウンやCADCAMインレーは、どこの歯科医院では行えるわけではありません。
提供するにあたり、厚生労働局への申請が必要です。
当院はその申請を行い、保険適用でCADCAMクラウンやインレーを取り扱えます。
銀歯に抵抗にある方、以前治療した銀歯が気になる方、お気軽にご相談ください。
CADCAMインレーのメリット
- 歯に似た白色なので、銀歯に比べて審美的によい。
- 金属ではないので、金属アレルギーが起こりにくい。
- 料金は自費治療のオールセラミックインレーに比べ、保険適用なので安価でできる。
- 天然の歯の硬さに近いため、かみに合う歯にダメージを与えにくい。
CADCAMインレーのデメリット
- CADCAMインレーで使われているプラスチックは硬めのタイプではありますが、使っているうちに磨耗が生じます。なので、歯ぎしりや食いしばりが強い方は破折の恐れがございます。
- CADCAMインレーは銀歯にに比べて弱いため、削る量を銀歯に比べて多くする必要があります。そのため神経がある歯をCADCAMインレーにする場合、治療終了後にしみたり、痛みが出たりする事があります。
- 審美的にもセラミックほど色のバリエーションがなく、最初は艶があってもだんだんと表面が劣化し、艶がなくなっていきます。
まとめ
今まで虫歯が大きくないために銀歯で治療したり、コンポジットレジン(プラスチック)で治療したりしていた部位にCADCAMインレーが使用できる事になりました。
保険を適用できる歯に制限はありますが、CADCAMインレーは、品質、見た目の自然さ、審美性を加味すると患者様にとってメリットの多い詰め物ではないかと思いますので銀歯をずっと変えたいと思っていたが変える事ができなかった方やお口の中を白くしたい方、金属アレルギーで苦しんでいる方などは是非ともご相談頂ければと思います。